バント失敗…振ったら一発!ラッキールーキー大野

[ 2009年3月15日 06:00 ]

<日・中>先発マスクをかぶったルーキー・大野奨太。バットでも猛アピール

 【日本ハム8―4中日】日本ハムのドラフト1位、大野奨太捕手(22)が14日、本拠地・札幌ドームで行われた中日戦の5回にオープン戦1号となる左越え逆転2ラン。鶴岡、高橋ら捕手層の厚いチーム中で、開幕1軍に向けて課題の打撃で猛烈にアピールした。

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 開幕1軍をアピールした大野だったのに、試合後は苦笑いしていた。
 「うれしい気持ちと悔しい気持ちがある。もっと気持ちよく打てればよかったけど…」
 初見参の本拠地・札幌ドームでスタメン出場。5回無死一塁で山井から“プロ1号”を左翼ポール際へ運んだ。うれしいはずなのに、ベンチで出迎えた梨田監督からはヘルメットをコツンと叩かれた。それもそのはず、打席ではバントのサインに初球を空振り。2球目はファウル。「ファンから“しっかり送れ”のコールは聞こえました。ゴロでいいから何とか走者を進めようと上から叩いたらいい結果になった」。気持ちを切り替え、内角シュートを体の回転で運んだが、心から喜ぶことはできなかった。
 「大学時代にバントなんてしたことないかもしれないが、7、8、9番ならばバントはできないと駄目」。梨田監督はそう話しながら、ルーキーの一撃に自然と目を細くした。遠投110メートルの強肩と、東洋大を戦後初の東都リーグ4連覇に導いたインサイドワークは入団前から即戦力と称された。課題は打撃だった。しかし、春季キャンプで上体が開く悪癖を修正。スイング軌道がよくなった。オープン戦10打数2安打でも右方向を意識した打撃に、持ち前のパンチ力も発揮されてきた。
 開幕1軍は約束されていない。この日も途中出場した鶴岡が右越え二塁打、高橋も右前適時打と結果を残した。バッテリーコーチ兼任の中嶋も控える。「今自分が置かれている立場はできることを精いっぱいやること。それをクリアした向こうに1軍がある」。捕手として必要不可欠な分析力を備えるからこそ、大野に油断はなかった。

 ≪大声援の代打・二岡…見逃し三振≫巨人から移籍した二岡が6回2死から代打でオープン戦初出場。見逃し三振に倒れたが、スタンドからの大歓声に「正直、あんなに声援をもらえると思っていなかった」と道産子ファンに感謝した。昨年に痛めた右ふくらはぎの状態が万全でないことから、当面は代打かDHでの出場となるが「感覚は悪くない。ファンの期待に応えられるように頑張りたい」と話していた。

 ≪教育委員会からのスカウト採用を発表≫日本ハムは14日、チーム統轄本部アマチュアスカウトとして、岐阜県教育委員会を今月末で退職する熊崎誠也氏(38)を採用したと発表した。同氏は県岐阜商から名城大を卒業し、その後は学校職員として岐阜・益田で監督を務めたこともある。プロ経験はないが今後はアマ時代に培った経験と人脈を生かし、東海・甲信越地区を担当することになる。

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2009年3月15日のニュース