ゴジラ乗り移った!ホンダ・多幡サヨナラ8強弾

[ 2009年3月15日 06:00 ]

<スポニチ大会 ホンダ・東邦ガス>9回2死一塁、左越えに弾丸ライナーでサヨナラ本塁打を運んだホンダ・多幡雄一は右手を突き上げる

 全国社会人野球大会の第64回「スポニチ大会」第4日は14日、神宮球場で2回戦2試合が行われ、第1試合はホンダが3―3の9回に多幡雄一内野手(26)の左越え2ランで東邦ガスにサヨナラ勝ち。第2試合はNTT西日本の新人・安部建輝投手(22)が13奪三振の1失点完投で鷺宮製作所を3―1で下し、ともにベスト8進出を決めた。15日は準々決勝4試合が行われる。

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組み合わせ
日程


 【ホンダ5―3東邦ガス】会心の一振りだった。同点の9回2死一塁。多幡は内角高めの直球を豪快に振り抜いた。打球は弾丸ライナーとなって左翼席へ。劇的なサヨナラ弾を放ったヒーローは、歓喜の輪に笑顔で飛び込んだ。「狙ってました。ボールでしたけど思いっきり振ったら入っちゃいました。西郷さんがつないでくれたんで絶対打ちたかった」
 真価の問われる打席だった。今季から「ミスター社会人」といわれる西郷が三菱ふそう川崎から加入し、4番に座る。「5番の自分が打たないとどうしても西郷さんが歩かされるパターンが増える。だから打ちまくらないと」。直前に西郷が死球で出塁した場面で、最高の結果を残した。「いい仕事をしてくれた。このクリーンアップは盤石です」。安藤監督も3番・長野を加えた最強クリーンアップの完成を喜んだ。
 大切な宝物がある。星稜の先輩、ヤンキース・松井からもらった巨人時代のバットケースだ。「55番の刺しゅうが入ったレアなやつだと思うんですけど毎日磨いてます。磨いたから打てたわけではないと思いますが」。この日もバットケースに触ってから球場入り。大先輩のパワーをひそかにもらっていた。
 これで8強進出。サヨナラ勝ちで強力打線も勢いづいた。ホンダの悲願の初優勝が現実味を帯びてきた。
 ◆多幡 雄一(たばた・ゆういち)1982年(昭57)7月20日、石川県生まれの26歳。有磯小3年で野球を始め、涛南中までは捕手。星稜入学後、内野手に転向。3年夏は県大会準決勝で小松工に敗れた。立大では外野手としてベストナインを3度獲得。1メートル73、76キロ。右投げ右打ち。

 <東邦ガス いきなり3点先制もその後プッツリ>悔しいサヨナラ負けを喫した。初回に4安打で3点を先制しながら、その後は打線が沈黙。終盤に投手陣が力尽きた。竹川監督は「2番手の筑川君の制球がよくて打てなかった。選手は調子のいい投手から点を取る厳しさを感じたと思う」と今後の課題を口にした。

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2009年3月15日のニュース