坂本進化の証明!“ジンクスふっ飛ばし弾”

[ 2009年3月15日 06:00 ]

<オ・巨>4回表、巨人2死二塁、坂本勇人は左越えに同点2ランを放つ

 【巨人3―6オリックス】進化を証明するフルスイングだった。巨人4回2死二塁。坂本はカウント2―0に追い込まれるとファウルで粘りに粘った。そして9球目。岸田が投じた139キロの直球は内角の厳しいボールだったが、次の瞬間に打球は京セラドームの左翼3階席の壁を直撃していた。

 「追い込まれていたので変化球を頭に入れながら直球が来ても、とにかく振り遅れないようにした。うまく反応できた」。オープン戦初アーチ。そのスイングには一流の輝きがあった。(1)ボールを十分に引き付ける(2)最短距離で振り抜く(3)腰の速い回転。この3条件がそろわなければ切れてファウルになるか詰まる。村田打撃コーチも「追い込まれて本塁打を打てるのは技術のある証拠」と称賛した。
 昨季に遊撃の定位置を奪取。迎えた今季は相手チームから徹底してマークされ、厳しい内角攻めが予想される。そのためキャンプから村田打撃コーチと体の軸を回転させ、内角球をさばく練習に重点を置いた。「向こうも研究してくるし、さらにその上をいかないといけない」と同打撃コーチ。内角球を運んだ一発は“2年目のジンクス”とは無縁であることを予感させた。
 「僕は1試合1試合アピールを続けていくだけです」。オープン戦の打率も・348と安定感抜群。打率3割、20本塁打という目標に向かって、坂本は進化を続ける。

 ≪ボカスカ…ポロポロ…最下位ジャイアンツ≫投手陣の乱調に守備のミスも重なり4連敗。オープン戦とはいえ2勝6敗で最下位となった。開幕ローテーション候補の木佐貫は序盤の制球難が響いて5回3失点。失点した2回は二塁・円谷、三塁・中井の失策も絡んだが「先頭打者に四球を出して失策を誘った。収穫はない」と肩を落とした。6回に登板したクルーンも無死二塁から坂口の送りバント処理で一塁に悪送球。一塁・田中に任せてもいい打球だっただけに「連係ミスだった」と反省した。8回守備では2死一、三塁から重盗を決められて失点。伊原監督代行は「ミスをした若手が個々に感じてくれるでしょう」と奮起を促した。

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2009年3月15日のニュース