渡辺俊“エコ”な88球3安打完封

[ 2008年7月21日 06:00 ]

<ロッテ・西武>88球で完封という省エネ投法で8勝目をあげた渡辺俊

 【ロッテ16―0西武】ロッテ・渡辺俊介投手(31)が20日の西武戦でわずか88球の省エネ投球で3安打完封。4回以降はパーフェクトに抑える快投でチーム単独トップの8勝目を挙げ連敗を3で止めた。打線も8連続安打を含む20安打16得点と大爆発。17日に発表された北京五輪日本代表には漏れたサブマリンだが、気持ちを切り替えロッテをクライマックスシリーズへと導く。

 渡辺俊はスタンドに帽子を投げ入れると、軽快な足取りでお立ち台へ向かった。「暑かったですよね?アルコールは水分ではないので気をつけてください」。気温34度。熱中症で10人が医務室に運ばれる酷暑の中、イニング間には氷のうを頭に乗せて冷やしながら投げきった。
 わずか88球で3安打完封。日本ハム・ダルビッシュが17日の楽天戦(東京ドーム)で記録した89球完投を下回る“エコ投球”だった。3回1死から栗山に左中間二塁打を許すも、平尾を95キロカーブで空振り三振、中島を投ゴロに仕留めピンチを脱出。4回以降は早打ちしてくる西武打線をあざ笑うかのような緩急自在の投球でパーフェクトに抑えた。27アウトのうちフライアウトが14。地面スレスレから浮き上がるサブマリン投法の本領を発揮した。
 7、8月に千葉マリンで行われたデーゲームでの完封は90年の開場以来初。大量16点の援護にも「味方の攻撃時間が長くて、いっぱい休めたからよかったよ」と集中力を切らすことはなかった。北京五輪日本代表から落選後の初登板。社会人・新日鉄君津時代に00年シドニー五輪、ロッテでは06年WBCに出場するなど、日の丸への思いは人一倍強いが、気持ちをスパッと切り替えた。「チームに集中してやろうと思った。(五輪競技に)野球が復活するように頑張ってほしい。8年後にチャンスがあれば出ようかな」。
 これでチーム単独トップの8勝目。「投げた日はあんまり飲むとダメ。ビール2杯くらいにするよ」。勝って飲む酒の味は格別に違いない。

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2008年7月21日のニュース