“伏兵”もスター揃い プロ注目左腕温存で4強

[ 2008年7月21日 08:12 ]

<伊丹北・報徳学園>5回裏(伊)、報徳学園のエース・近田(右)はブルペンで、2番手・小野寺のピッチングを見守る

143キロ左腕・近田が難敵を完封

 【報徳学園11-4伊丹北】“伏兵”の活躍で報徳学園が4強を決めた。3回2死一、二塁で9番の籾山が、伊丹北の右腕・中本から左翼へ3ラン。2点差に詰め寄られた直後の一発で再びリードを広げた。「開き直っていきました。夢みたいな感じです」。
 今春、遊撃のレギュラーを奪った2年生は、通算4号に驚きだった。この試合まで今大会5打数無安打。「悔しさはあったけど、考えすぎないようにしました」。連続四球の後の直球を迷わず振り抜き、初安打が最高の結果になった。
 もう1人の“伏兵”が背番号12の小野寺だ。4回無死二塁から先発の岡田を救援。その回に1点を奪われたが、自己最速141キロの直球とスライダーを武器に5回からの3イニングは3人ずつで打ち取った。
 「絶対に1点もやらない気持ちと、絶対に甲子園に行きたいという気持ちで投げました」
 右腕が三塁手から投手に転向したのは高校2年春から。紅白戦で投手がいなかったためマウンドへ上がると、レギュラーチームを一回り抑えてしまった。以後、本格的に投手を始めた。永田裕治監督(44)は「小野寺が良く投げてくれた。近田を使わずに済んだのは大きい」と称えた。
 層の厚さで4回戦の神戸国際大付戦を完封したプロ注目の左腕・近田の温存に成功。伝令役を務めた近田は「チームとしていい試合ができました」と一丸星に笑顔だった。準決勝は滝川二。13度目の夏へ、まとまりも最上級だ。

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2008年7月21日のニュース