イチロー マサ打ちで“マジック”7

[ 2008年7月21日 06:00 ]

インディアンス戦の9回、右越えに2ランを放つマリナーズのイチロー。日米通算3000安打まであと7本とする

 【マリナーズ6―9インディアンス】マリナーズのイチロー外野手(34)が19日(日本時間20日)、本拠地インディアンス戦で2戦連続のマルチ安打。日米通算3000安打まであと「7」に迫った。9回に新クローザーとなった小林雅英投手(34)から138打席ぶりの長打となる4号右越え2ラン。今回の連戦で4試合を残す地元シアトルでの記録達成が、現実味を帯びてきた。

 地元での快挙達成へ、柔ではなく剛の一発だった。完敗目前の9回2死一塁、マウンドには新守護神の小林がいた。初球のシュートが外角に外れると、次のストライクを取りにきた92マイル(約147キロ)内角低め直球をこん身の力ですくい上げた。「低い球でしたし、そんな意識はなかったですけど。まあ(外野の頭を)抜けてくれたらって感じやね」。全身の力を使った打球は低い弾丸ライナーとなり、ギリギリで右翼フェンスを越えた。
 6月14日ナショナルズ戦の二塁打以来、自己最長のブランクとなる138打席ぶりの長打。感想を問われると過激なジョークで返した。「イキそうになりましたね。ちゃんと行にんべんじゃなく、片仮名を使ってよ。オレがアホみたいだから」。もちろん真意はその反対で、イチローにとってヒットに長いも短いもない。安打は安打なのだ。
 小林には5月1日の初対戦で二ゴロに打ち取られた。だが、上げた左足を一瞬止める変則的なフォームにも「前回見てるしね」と反省を生かし、一発でやり返した。オリックス時代は4打席で2打数無安打。通算6打席目でようやく初安打をマークした。
 今回4試合を残す本拠地での達成、さらに次カード2戦目(22日)の松坂との対戦までに“リーチ”をかけるには無安打で終わるわけにいかなかった。最初の3打席は凡退も、残る2打席で中前打と本塁打を放ちマジック「7」とした。あと9本と7本では意味合いが全く違うが「それは想像を超えていない。当たり前に大きいということだね」とクールな口ぶりはいつも通り。安打量産態勢のまま、世紀の瞬間は刻一刻と近づいてきた。

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2008年7月21日のニュース