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腕にも舌にもフグの衝撃 チラシバリ、カットウ…試行錯誤でガツン!!

[ 2024年1月24日 04:30 ]

次々とフグを抜き上げる 高松金一郎さん。結果は60対36で筆者の完敗。幸盛丸とは30年以上のおつき合い
Photo By スポニチ

 【釣っちゃろ】笑う門にはフグ来たる――。外房のショウサイフグが熱い。カットウの釣趣もさることながら食味はご存じの通り。刺し身でよし、表面だけ軽くあぶったタタキもよし。鍋は言わずもがな、唐揚げは冷めてもおいしいからお弁当に入れてもいい。腕と舌にガツンと来る衝撃を求めて千葉県大原・幸盛丸へ。(長久保 豊)


 着底と同時に竿が引ったくられた。「青物が食っちゃったみたい」。鈴木光雄船長=写真=に助けを求めるがニヤリとするのみ。イナダかカンパチか。横走りするのをなんとかいなして水面まで上げてくれば40センチ級のショウサイさま。抜き上げようとしたが船べりに当たってサヨナラ~。でも浅場のフグってこんなに強いのか。

 午前5時集合の幸盛丸。「30分ほど走ります」と鈴木船長は大原港の僚船たちと太東沖へ。80匹の制限匹数達成者が続出するホットスポットだ。まだ暗闇の中の第1投はまさかの水深5メートル。いきなり根掛かりでへこむが当たりは活発だ。竿先を震わせるジ、ジ、ジで合わせるが持参したアカエビはすっからかん。次もまた次も。近所のスーパーで「広告の品5匹398円」で買ったとはいえ、こりゃあサイフが持たない。胴突2本バリ仕掛けで様子を見る。

 チョイ投げして餌を揺さぶりながら船下まで誘う。コツンと来てもそのままゆっくりとさびいてガツガツという当たりを出す。これがうまくいってポツポツ。そして冒頭のシーンに続く。

 右舷ミヨシで順調に数を伸ばしていたのは高松金一郎さん(75)。ベテランは竿先に出る微妙な当たりを逃さずカットウに掛けていく。「スポニチさんから取材されるのはもう3回目だよ」と笑顔を見せるが、春の東京湾トラフグでは釣行のたびにXデーに当たるという強運の持ち主だ。記者もカットウ仕掛けに戻し反撃に入るが差は縮まらない。

 チラシバリ仕掛け、オモリ10号の東京湾カットウなどいろいろ試すが答えの出ない迷宮入りだ。終わってみれば60対36の完敗。食味目当てで来たものの、悔しいから少し通ってみようか。本気になったら大原だ。


 ≪「着底3秒」爆釣タイムも≫ 「5~7秒ごとの空合わせ」。外房のカットウフグ釣りにこんなイメージを持っている人もいる。だが現在は微細な当たりで掛ける釣りが主流になっている。ただし、ウネリや風にさらされることが多い場所ゆえ、タイム釣りは今でも有効だ。潮時に当たれば竿先などは見ずに「着底から3秒」で合わせれば掛かる爆釣タイムの可能性もある海だ。

 ≪東京湾はバナメイエビ主流≫ 常磐、外房地区のフグカットウ釣りといえばアオヤギが定番餌。ところが現在品薄で各船宿が頭を痛めている。東京湾で使用されているアルゼンチンアカエビを用意している所もあるが、単価が高く現在はバナメイエビに落ち着いた。船長によれば「アカエビもバナメイも食いは変わらないよ」とのこと。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、大原・幸盛丸=(電)0470(62)2267。出船時間は午前5時半、乗合料金は餌別1万円、アカエビ餌は1パック500円。ヒラメ船も出船中。

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