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東京・浅草でJFLCC東京展示即売イベント 個性豊かなタックル、絵画ズラリ

[ 2024年1月21日 07:00 ]

左からJFLCC副会長の下村慶さん(右)、筆者、八百板浩司さん。釣り談義に花が咲いた
Photo By スポニチ

 【奥山文弥の釣遊録】釣りをする時、釣果優先を考える人も多いと聞きます。また新鮮な魚を食べるために釣りをするのでキャッチ&リリースの釣りや、食べられない魚を釣るのは考えられないという方もいます。個人的な好みなのでなんとも言えませんが、食べることを前提に釣りをすると、釣りの持つ奥の深さ、技術面やメンタル面での向上心が半減してしまうのではないかと思っています。

 そんな思いを抱きつつ、東京・浅草で行われたジャパン・フィッシング・ルアー・コレクターズ・クラブ(JFLCC)の東京展示即売イベントに参加しました。出店するブースはさまざまですが、オールドルアーやハンドメードルアーを扱ったり、絵画やオリジナルタックルを展示したりしていました。

 初参加を決めたのはJFLCCの副会長に就任した下村慶さんにお誘いを受けたからです。

 各ブースには個性豊かな出展者がそれぞれの持ち味を生かしたデコレーションをしていました。八百板浩司さんはブラックバスの写実的なイラストで有名です。筆者がダイワ精工(現グローブライド)のテスターをしていた頃はフリーペーパーの「ルアーボーイ」で連載記事のイラストを描いていただいたり、集英社のビジネスジャンプで連載していた「爆釣Fish On」という釣りコーナーも描いていただきました。もちろん彼もバスアングラーで、当時はフロートチューブに入って水面に浮かび、トップウオーターゲームにご一緒させていただきました。

 それにしても今回の来場者はみんなマニアックな方々です。釣りをする姿勢にこだわりがある方々ばかりです。

 釣りフェスティバルとは一味違った世界です。ルアーのみならず、タックルもかの文豪・開高健が愛したABU社のリール「アンバサー」を使って釣るのがいいのだとか、水面でゲームするのは当たり前で、しかも実績のある「ヘドン」や「アーボガスト」など名作と言われるルアーではなく、オリジナルのルアーで釣るのが面白いとこだわりを持っています。

 筆者が気に留めたのは写真のルアーです。最初は何を展示しているのか分かりませんでしたが、よく見るとバイクの上部、ガソリンタンクとシートでした。これをジョイントでつなぎ、クネクネ泳ぐようにデザインしたルアーだったのです。よく考えるものですね。これを泳がせてバスを釣ろうという“男気”を感じました。

 さてこの日これらのルアーや釣りスタイルに興味のある人が400人強来場したそうです。前述の通り、釣ってなんぼの風潮がまかり通る中で、こだわりを持って釣る人たちが多くいることに感銘を受けました。1匹の魚とどう向かい合うか、どうやって満足度を高めるのか。そして釣れるまでの努力、我慢、辛抱がどれだけできるか?彼らにとっての楽しい釣りはそれなりの精神修養です。

 釣れないと飽きちゃう人にはお薦めできませんね。(東京海洋大学元客員教授)

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