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“魅惑の女優”ヤリ、ロマネとロマンス

[ 2018年3月13日 09:00 ]

グリーンのアイラインに哀愁を帯びたそそる目
Photo By スポニチ

 【一釣一品 食べま専科】ヤリイカとロマネスコ(イタリア野菜)の炒め物を食す。ヤリがバカ釣れだ。三浦半島方面からは連日「束」便り。イカ好きおじさんのお尻はムズムズしっぱなしだ。竿を買い替えて、勇んで腰越・飯岡丸へ。 (スポニチAPC 町田 孟)

 フランス映画思い出しますねえ。サテンのローブの肩口に手をやって撫でるように…。白い肌が目に染みる。カトリーヌ・ドヌーブ、ミレーヌ・ドモンジョ。ゾクッとしたもんだ。誰だって?僕らの時代の若者をとりこにした女優さん。最近ではとんとお目にかかれない雰囲気を持っていたもの。

 エンペラをつかんで引き下げればスルリ。ヤリイカの皮のむきやすさで、ちょいと思い出したんだ。引っ剥がすようにしなくちゃあならないスルメとは大違いサ。いとしい相手を仕留めるとなると、それなりの工夫がいる。

 【釣戦】宿にある仕掛けは幹5号。枝3号、間1.2メートル、全長8.4メートル。ツノは6本。真ん中に日の丸の浮きスッテ。

 イカハンター、三浦徳人船長のコツのコツを頭に叩き込んだ。「巻き上げるときの電動スピードを途中で落とすこと。俺は必ず1回はやる」。200メートルの深場。着底した時と上層では巻いてある糸の量に差があるでしょ。スピードを変えないとイカが振り切られてしまうんだ。さらに「20メートルくらいから日の光が届いて明るくなるせいかイカが暴れる。ここをいなさないとバレる確率が高くなる」。一応2段変速で対応して失敗はゼロ。かつて途中でプツン、プツンされ足だけだった悔しさを払しょくできた。

 落とせば即乗り状態。手だれならツノの本数を増やせば数は稼げる。新竿だし、近ごろ栄養剤が必要かなと思ったりするので無理しませんでした。言い訳じゃないよ。近所へお裾分けできる数は確保したから。大・中・小交じりでそれぞれ3割といったところ。

 【イカ・ロマネクッキング】小ぶりを選択。ここは妄想を封印して皮をむく。ゲソとワタを抱えた腹も使う。胴は3分の1に。この3種に酒を振りかけ、塩、コショウ。フライパンにバターを溶かしさっと火を通して取り出しておく。次にゆでたロマネとブナシメジを油で炒める。そこへイカを再投入してバターをたっぷり。これが基本。しょう油を垂らし味の調整。さあ海・陸・山の恵みを堪能しよう。

 家人いわく「バターの味ともマッチするから苦手なロマネも食べられる。イカは我が家の優等生。だしは出るし、用途は広い。冷凍しても3カ月は持つし」。ふん、どうせこちとらは不良亭主だわい。

 ≪晩酌の「お楽しみ」沖干し完成 ≫左舷のトモでせっせとイカを割いていたのが藤沢市の荒木英美さん(51=会社員)。竹串を通して沖干しの準備完了。「スルメの方が味は濃いけれど、ヤリもなかなかいけますよ」。ぜいたくな一品は昌子夫人(45)との晩酌テーブルに乗るそうだ。一年を通してイカとフグを中心に追い掛けて「月に3、4回は通う」。マルイカ140匹、3キロ近いトラフグが自己記録。帰りしなに「どうぞ」。出来上がった沖干しをプレゼントしてくれた。ごちそうさま!

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