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乗っ込みなのにタイ引っ込み 船中唯一の当たり まだツキはある!?

[ 2017年5月26日 07:29 ]

船中唯一のマダイは1・5キロ
Photo By スポニチ

 【釣魚居酒屋 あかり亭】“乗っ込み”のマダイを使って一品を。ふくだあかりが出掛けたのは茨城県鹿嶋の清栄丸。得意の一つテンヤで食材ゲットだ!

 立夏を迎え、町では薄着の男女の仲むつまじい様子が多く見られる。海でも海水温が安定して上がり始めると産卵期が訪れ、オスとメスが色めき立つ。水温のより暖かい浅場でオスもメスもよく餌を食べ、活発に行動し始める。おおまかに説明すると、これが釣り人の大好きな“乗っ込み”というやつ。その時季には丸々とした大きな魚が数釣れるということで、釣り人も色めき立つ。

 そんな私も色めき立ったうちの一人。鹿嶋の清栄丸さんにお世話になってきました。水深は25〜30メートル。風とウネリがあったので8号の赤テンヤでトライ。餌は生きエビを使用。生きエビはエビの目が光るので、魚に対してのアピールがいい上に、冷凍エビのように頭がすぐに取れてしまうようなストレスがなく、過去に大爆釣した特餌なんです。

 「乗っ込みプラス特餌で、今日は間違いなし!」と思いながら仕掛けを投入して、底から10メートルぐらいを丁寧に探ってみる。だが当たりなし。ならば底付近をねちっこく探ってみても当たりはない。

 マダイどころか餌取りの当たりすらないってんだからびっくり。しかも二枚潮で釣りにくい。そんな中、小さい当たりをやっとこさ取って釣れたのはアイナメ。魚体を触ると凄く冷たい!どうやら底潮の水温がかなり低いみたい?そのせいで食いが悪いのか、全く当たりが出せず、その後も我慢の釣りが続いたけれど、ひたすら底をねちっこく攻めていたら、強めの当たりが。

 食いが悪いからちょっとひと呼吸置いてから合わせたら、マダイ特有の引きが。慎重にやりとりをして上がってきたのは1・5キロの食べごろサイズのきれいなオスのマダイ。しかもこの後も食いは上がらず、なんと私が釣ったのが船中唯一のマダイとなりました。

 でもゲストで釣れた魚は、アイナメ、3・5キロヒラマサ、ヒラメ、フグ、カレイとにぎやか。皆さん、お土産は釣って帰れたようです。かなり渋かったけど、こんな日もある!

 乗っ込み時季には卵や白子を持った個体がほとんどです。釣れ過ぎた日には、食べない分を適切にリリースしてあげると、来年もその先もずっと楽しく釣りができる環境づくりをしていけると思います。釣りをしている時、ちょっと頭の中に入れておいていただけるといいな。

 今回はレモンを使ったちょっとほろ苦い大人のマダイ料理。見た目は華やかなのに、とっても簡単なのでぜひ試してみてくださいね?

 ◎マダイとレモンのワイン蒸し 焦がししょう油バターがけ

 【材料】マダイ2切れ、レモン半分、クレイジーソルト適量、白ワイン100ミリリットル、ミニトマト6個、インゲン4本、バター20グラム、しょう油大サジ1、オリーブオイル適量。

 (1)マダイは下処理をして、皮を残してクレイジーソルトを振り下味をつける。15分ぐらい味をなじませたら軽く水分を拭き取る。

 (2)フライパンで白ワインを沸騰させ、オリーブオイルを入れたら、マダイを皮を下にして入れ、レモン、トマト、インゲンを入れてふたをして5〜8分蒸し焼きにする。

 (3)お皿に取り出し、盛り付けたら、きれいなフライパンでバターを熱し、しょう油とオリーブオイルでバターじょう油を作り、マダイに回しかける。

 ※レモンの皮の苦みと酸味がマダイによく合い、バターじょう油が濃厚さをプラスしてくれる一品。レモンさえあれば、トマトやいんげんを省いてもOKなので、おうちのありものでできちゃいます。釣りから帰ってきた後、ぱぱっと作るには最適。暑い時季、冷たいビールとワインがとっても合いますよ。

 ◆ふくだあかり 1981年(昭56)、茨城県生まれ。07年、趣味で釣りを始める。08年に始めたブログ「百目」は、月間30万アクセスの人気。著書に「初めての釣りガール スタイル&レシピ」(講談社)などがある。16年から茨城県海面利用協議会委員を務めている。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、鹿嶋・清栄丸=(電)0299(82)3691。集合は午前4時半と正午。乗合料金は午前船1万1000円、午後船1万円。

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