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マルイカ カドを立てずに 気難し屋のご機嫌うかがいながら

[ 2017年5月2日 09:56 ]

「遊ばれていますねえ」といいながらもマルイカを釣った小林さん
Photo By スポニチ

 【ココが一番!】ホント、マルイカって気難しい。竿頭が46匹釣った日があるかと思えば翌日は10匹台。「いい日が続かない」と館山つりセンター・くろしお丸の花輪雅一船長=写真=も頭を抱えるほど。原因は分かっている。それは黒潮のルート。「今年は黒潮が遠のき春の潮が来ていない。だから潮が濁って、魚探への反応があっても乗りが悪い」とのこと。

 さてこの日は――。まず向かったのは水深50メートルのところ。潮が濁っていて嫌な予感。案の定30分ほどは誰の竿にも変化がない。だが反応を求めて移動を繰り返すうち、ようやく花輪船長の「〇〇さん乗った!」「〇〇さんも乗ったよ!」威勢の良い声が飛ぶようになった。皆さん仕掛けは直結。バラシを恐れて直ブラを選んだがやはり不利なのか。どうやら釣ってないのは私だけらしい。

 「山本さん乗ったね」。この言葉が聞けたのは開始1時間くらいたってから。誘って竿を止めた時、穂先がかすかに揺れた。軽く合わせると掛かっている。クンクンと上品な引きを見せるのが、マルイカの特徴。現れたのはずんぐりと太った25センチ級。待望の1匹に、思わず笑みがこぼれてしまった。

 「今日は渋いですね」と言いながら誘いを繰り返していたのは船橋市の小林昭さん(60=会社員)だ。ヒラメ、マゴチなど白身の魚が好きとのことだが、この時季はマルイカ通い。「マルイカは3年ほどですが、スッテに触ったのをいかに掛けられるか。カッカと熱くさせてくれるのが面白いところ。たいてい遊ばれますけどね」と魅力を語っていたが、このマルイカとの駆け引きがだいご味なのだ。

 マルイカだけでなく時にはムギイカ、ヤリイカも釣れる。マルイカに続いてヤリイカを手にしたのが千葉市の甲山晶さん(39=自営業)。ご主人と一緒の釣行でマルイカ釣りは3回目。「カワハギ釣りもしますが叩いたり、ゆっくり誘い上げたり、乗せるところが似てますね」とすっかり気に入ったようだった。

 後半は70メートルダチに移ったがここも濁りがきつい。だが乗りは良くなり私も遅ればせながらポツポツと当たりを捉え計5匹。トップは8匹で、ささやかながら目標の“半分”はクリアしたのだった。濁りが取れればマルイカの機嫌も直るはず。期待したい。

 ◆スッテの色重要

 花輪船長がすすめる釣り方はオモリが底に着けばラインのたるみを取って少し待つ。竿に変化がなければ限りなくゆっくりと聞き上げて待つ。2〜3メートル探ってダメならまた底へ。ここで叩いても当たりが出ないと一気に10〜15メートル上げての巻き落とし。この繰り返しだ。また底での空合わせも効果大とか。スッテは3・5センチ、5センチの組み合わせ。スッテの種類にこだわることはないが色は大切。潮が濁っていれば濃いめの赤やオレンジ、緑など。澄んでいれば薄めのケイムラ、ピンク、青が良さそうだ。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、館山つりセンター=(電)0470(27)3807。午前5時半出船。料金氷付き9500円。

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