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ワカサギ刺し身に舌もギョ! キビナゴ想像も大外れ…珍味の極致

[ 2017年4月14日 05:30 ]

「デカッ」三浦さん                            
Photo By スポニチ

 【釣りバッカ天国】ワカサギの刺し身を食す。ウマいかマズいかは別として、相当なワカサギ・マニアでも考えないであろう変態料理?に、釣りバッカ野郎が挑戦した。食材調達の舞台は山梨県の西湖。抱卵し、型も姿もシシャモ級の大型ワカサギを水深50メートルの深場から釣り上げて…。 (スポニチAPC 若林 茂)

 西湖のワカサギ釣りをヒメマス釣りの付録みたいに言う人がいるが、今季は違う。ヒメマスがイマイチなのに対してワカサギは大型で抱卵、深場から釣り上げる釣趣に魅せられるファンも多い。

 「刺し身用に釣る」と宣言して釣行した前日は西の強風。ナギ待ち2時間の末、出船できなかった。そしてこの日、午前5時前に電話で「小雨、だがナギ」を確認、中央道を走って7時に西湖着。先行して釣っていた釣り宿・松屋の三浦喜保店主とポイントの駒形沖で合流した。今月の初めごろ、15センチオーバーも含め大型ワカサギがよく釣れたポイントだ。水深はジャスト50メートル、オモリ3号が着底するのに1分ほどかかるが、これより重いと当たりが取れない。

 雨がやんだところで「来たよ」と隣の三浦さん。上がってきたのはおなかパンパン、背中があめ色という西湖独特のデカいワカサギ、しかもダブルだ。写真を撮ってる間に、こちらの竿にも当たりが…。

 魚探にはベタ底に頻繁な反応があるが、食いは悪い。産卵を控えたワカサギはツワリ状態なのかも。それでもPEラインを伝わってくる微妙な魚信をキャッチできれば、重厚な引きが手巻きで1分も2分も楽しめる。10時ごろから西風が吹いて11時にギブアップしたが正味3時間半で10〜14センチを35匹、刺し身用の食材としては十分だった。他に宙層の置き竿に15〜22センチのヒメマス4匹は付録。

 ワカサギ&ヒメマス料理が“売り”の民宿松屋の女将・三浦竹代さんは「ワカサギの刺し身なんて、見たことも聞いたこともない」と、やんわり料理拒否。速攻で帰って、自力で夕飯に間に合わせることに。

 魚をさばくことは苦にしないが、こんな小さい魚は初めてだ。使ったのはカッターナイフ。かつて「ワカサギは開きにして一夜干しにする」という人から聞いていたから。大型から順にさばいていると背後から「また?」と女房の声。続きは(バカやってるの)だと思いきや「大きいの、塩焼き用にとっておいて」ときた。

 キュウリウオ科のワカサギにはキュウリのような強いにおいがある。刺し身で食べるには“におい消し”を模索するものだが、バッカには秘策があった。ツマとして薄切りしたキュウリを並べ、三枚おろしのワカサギを盛り付けた。毒を以(も)って毒を制す、というわけだ。で、食リポ。キビナゴを想像していたが大外れ。強いてヨイショすれば珍味の極致か。

 追伸。良い子はマネしないでください。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、西湖・松屋=(電)0555(82)2501。入漁料1500円、ボート1人乗り2500円、2人乗り3500円。春の漁期は5月31日まで。

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