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コイしい春、多摩川で先取り まだまだ寒いけど今季初ナマズがヒット

[ 2017年2月18日 05:30 ]

身近で手軽に大物を狙うなら、コイが最高のターゲットだ。麻生さんは自己最高記録の64センチ。
Photo By スポニチ

 【奥山文弥の釣遊録】フライキャスティングレッスン

 水温が高いために一年中、魚たちが釣れる川、それが“タマゾン川”こと多摩川です。

 東京都の昭島市から下流数カ所に水再生センターという汚水処理場があり、そこから温かい処理水が放出されるため、川の水温は真冬でも10度を切りません。温排水が影響している場所では15度以上ある場所もあります。よって魚たちは冬眠する必要もなく行動し成長を続けるのです。そんな中でも、日照時間などに魚たちは春の気配を感じているのかもしれません。

 ブラックバスやナマズなどフィッシュイーターと呼ばれる魚たちが動きだすと春の到来を感じます。まず変化が表れるのは水生昆虫の大量羽化です。水温が低い時に羽化するユスリカの類ではなく、カゲロウが羽化し始めます。これを小魚たちが食べ始めると、ナマズたちの動きが活発になるのです。ブラックバスは虫ライズと言って、小魚ばかりではなく大型のカゲロウも捕食しています。

 11日は午前9時から午後3時までフライキャスティングのレッスンを多摩川中流域の稲城市辺りで行いました。前日までの情報ではナマズは全く釣れていないとのことでしたが、始まる前に釣りをしようと、参加者の中村竜也さんとともに早く出発し、現地に着いたのは午前6時前。薄暗い中ですでにブラックバスを狙う人が4人もいました。釣れている情報はSNSでしか流れませんから、その4人はみんな知り合いでした。

 あいさつして空いている場所に入って釣りを開始すると中村さんのフライには55センチのナマズがヒットしました。今季初ナマズです。私は残念ながらノーヒットでした。

 中村さんは大喜びでレッスンに参加、終了後は参加者のコイ釣りガイドも手伝ってくれました。

 レッスン中、フライフィッシングは毛バリで魚をだまして釣る方法で、魚が食べているものをフライで模し、食べている場所まで送り届けることが大切ですという説明をしました。そのために投げる練習をするという他の釣りには例を見ない釣りですということも。

 レッスンが終わり、皆さんがコイを釣るべく、食パンそっくりの「ショックパン」というフライで釣り開始。

 参加者の一人、麻生実花さんは東京海洋大学卒業生。社会人になって新しい趣味を持ちたいということで2回目のレッスンです。道具は今回もレンタルでした。ヒットした後その引きに驚き、「お願いだから外れないで。切れないで」と願いながらファイトしたそうです。そのかいあってキャッチしたのは64センチという見事なコイでした。

 夫婦で参加の石上未来さんは、コイがパクパクやっているのにフライには食いつかないと悩んでいました。コイは偽物を見破りますから上手に流さないと食いつきません。ティペット(ハリス)がついているので自然になかなか流れないのです。ご主人の文之さんはラスト1投でヒットさせましたが合わせ切れ。

 フライレッスンは毎月1回開催中。詳しくは「奥山文弥イベント」で検索を。次回は3月20日です。(東京海洋大学客員教授)

◇東京海洋大学フィッシングカレッジ 20日(月)午後6時半から同大学品川キャンパスで。テーマは「ヒットチャンスをものにする方法」。講師は長岡寛氏(マルキユー)と筆者。参加費無料、予約不要。

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