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トラギス 上品風味かまぼこ 刺し身は和がらしで

[ 2017年2月11日 05:30 ]

吾作流 雑魚をおいしく!
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 【吾作流 雑魚をおいしく!】

 シロギス釣りやアマダイ、カワハギ狙いの外道として釣れるトラギス。たいていは10センチぐらいしかない小型だけど、中にはシロギスより甘みがあっておいしいのもいる。(文&イラスト 桜多 吾作)

◎シロギスの外道 本命より甘みも

 単純に「トラギス」といっても、その仲間まで含めると日本全国で「いったい、どのくらいの種類がいるんだろう」と考え込まなけりゃならないほど種類は多い。我々釣り人が相手にするのは茶色っぽい「トラギス」。ほかに深場で釣れる「オキトラギス」、頭が赤っぽい「アカトラギス」など。

 釣りから帰ってきて、疲れていると下ごしらえに嫌気が差すことがあるが、うろこを取って頭をおろし(だしに使う物は取らないで乾燥)、ワタを抜き、三枚におろして冷凍しておけば、ちょっと酒のアテのない時や、おかずに一品追加するときに重宝する。

 小さくて面倒なら、一番簡単なのは唐揚げや南蛮漬け。作ったあと冷やし、冷凍しておけば数カ月保存できるし。

 数がそろったらぜひ、かまぼこを作ってほしい。蒸したものもおいしいけど、少し硬めに練った具を割り箸などに、直径2センチぐらいに細めに巻き付け、少し乾燥させてから焼く。上品な白身で、これは絶品よ!

◎今はワサビが定番も 江戸式食べ方もオツ

 もちろん刺し身だっていけますよ。皮を剥いで縦に切った「糸造り」、または食べやすく「一口刺し身」。今はワサビもどきのチューブがマーケットに並ぶ時代で簡単に買って使えるけど、ワサビは江戸時代の後半から、ほんの一部の特権階級だけのぜいたく品。

 では庶民は何を使っていたのかというと、昔ながらの、あの黄色い和がらし。刺し身もこれでいただくとなかなか乙でげすよ。和がらしは、今まで慣れ親しんだ味とはちょっと違うかもしれないが、食べたあと頭の中に清涼な風が吹き抜ける。

 江戸時代はもとより、昭和も和がらしが主流だった頃がある。

 仲間と魚をつまみながら飲む時には、「江戸時代の人たちは、こうだったん?」と和がらしで刺し身をつまんでみれば、飲み会もいつもとは違った盛り上がりを見せるかも?

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