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希少メヌケで2017年運試し

[ 2017年1月9日 05:30 ]

外木さんはワンチャンスをものにして3匹掛け
Photo By スポニチ

 【菅野順也の釣り巡礼】水深400メートルの海底にそそり立つ高根。頂に咲いた特大の「赤い花」メヌケを狙った。乗り込んだのは平潟・第15隆栄丸。(スポニチAPC 菅野 順也)

 深海釣りの花形的存在のメヌケ。その味も格別だが、釣り当てるのもなかなか難しく、まさに高根の花だ。

 第15隆栄丸の舵(かじ)を握る鈴木和次船長によれば「昔、私がトロール船に乗っていた頃には魚群探知機に反応があちこちで映ったもんだよ。そこを目掛けて網を引けば山ほど取れたんだけどね。今では本当に昔の話だよ」とのこと。1キロ未満の小メヌケと呼ばれるサイズしか釣ったことがない私は「1匹釣り上げて味わってみたい」。そんな思いで釣行した。

 午前5時出船。航程2時間ほどで、水深400メートルのポイントへ到着。船長の合図でトモ側から順番に投入となった。仕掛けはマダラ釣りとほぼ同じで幹糸14〜16号、ハリス10〜12号の6〜8本バリ。

 「海底は起伏が大きいので小まめにタナを調整してください。ここからカケ下がりになりますからね」と鈴木船長のアナウンス。

 4投流したが船中9本の竿に当たりは表れず、船長は船を30分走らせて違う潮に狙いを変えた。

 「数が少ない魚なので皆さんが必ず釣れるものではないのですが、姿を見せたいですから気持ちが入ってしまいますよ。釣り上げるチャンスは、潮の流れと魚の着いた根がうまくかみ合った一瞬だからね」と鈴木船長。

 潮の流れが速過ぎれば根の中に仕掛けを落としいれるのは困難。逆に緩慢過ぎれば魚の活性が上がらず目の前に餌があって食い付いてはこない。3時間半後にようやく1本の竿に動きがあった。

 「来た来たっ!」。沈黙を破った行方市・志村弘さん(76=理容師)は「サンマとイカの切り身を合わせて付けていました。メヌケは薄切りのしゃぶしゃぶが最高ですよ」とドキドキの長い巻き上げ時間の果てに、5キロクラスの本命を浮かばせた。続いて同じ流しで、もう1本大きく竿が曲がった。「うちのお客さんでもトップクラスの大物釣り師だよ」と船長も認める横浜市・外木邦彦さん(61)は「待望の当たりが来たので一発勝負!道糸を送って多点掛けがうまくいったのに根掛かりしてしまいました。5匹掛かっていたかもしれません。食わせるコツはすべてをシンプルにすることだけです」と残念がっていたが、5〜6キロクラスの3匹掛けの赤い花が並んで、船上が沸いた。

 当日は魚の反応があった流しはこの回のみ。釣果の明暗が分かれた。

 根気よく最後まで粘っていた二本松市・遠藤正明さん(60=会社員)は「赤い色の魚を目的に来たのですが…。また挑戦しますよ」と、私とともに残念な結果となってしまった。

 赤い大輪を目の当たりにして再挑戦を誓った私。よし次回こそは!

 ▼釣況 第15隆栄丸=0293(46)3980。出船時間は要確認。乗合料金2万円。

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