阪神・植田が神走塁でチーム救った!7回に挟殺プレーすり抜け進塁、浅い右飛で同点生還 巨人戦執念ドロー

[ 2024年4月17日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神1-1巨人 ( 2024年4月16日    甲子園 )

<神・巨>7回、糸原の右犠飛で生還する植田(捕手・岸田)(撮影・北條 貴史)
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 阪神は16日、巨人戦で植田海内野手(27)がスーパー走塁を連発し、延長10回表無死降雨コールドの引き分けに持ち込んだ。代走で出た7回に投ゴロで飛び出して二、三塁間に挟まれるミスをしたものの、粘って三塁に進み、代打・糸原健斗内野手(31)の浅い右飛で間一髪ホームイン。生還時には瞬時に左手と右手を入れ替えてタッチをかいくぐる“神ヘッドスライディング”を繰り出し、8試合連続2得点以下と停滞中の打線を救った。

 この日お披露目された「ウル虎の夏」24年版ユニホームは泥だらけ。ズボンは膝元までまくり上げた状態で、植田は試合後、クラブハウスへの通路に姿を現した。“神ヘッスラ”でこの日唯一の得点をもぎ取った証をありありと残したまま、淡々と話した。

 「(三塁コーチャーの)藤本コーチがいくぞ!か、いけ!と言っていたので(いきました)」

 0―1で迎えた7回1死二、三塁。糸原が放った浅い右飛にタッチアップを試みた。本塁はクロスプレーのタイミングでも、脳内は冷静。すかさず「(捕手に)タッチされると思ったので(ホームベースは)右手で(触りに)いきました」と、ヘッドスライディングを左手から捕手からタッチの遠くなる右手に変更し、一瞬早くベースに触れた。

 ベンチからは代打・糸原がバットに当てた瞬間に本塁へ突入する「ギャンブルスタート」のサインが出ていた。にもかかわらず右飛で三塁ベースへ戻り、タッチアップに切り替えたのも足のスペシャリスト・植田ならでは。藤本コーチは「ライナー(の打球)で(三塁ベースにすぐ)戻れたのが(良かった)」と称えた。

 一塁コーチを務める筒井コーチに「チームで一番、足が速い」と言わしめるほど快足の持ち主が、8試合連続2得点以下の打線を走塁で救った。しかし、“神ヘッスラ”の直前には大目玉を食らっても仕方のない瞬間があった。ノイジーの代走で一塁走者として出場し、続く坂本の送りバントで1死二塁。木浪の投ゴロで飛び出して二、三塁間で挟まれた。しかし、三塁手・坂本のタッチをギリギリでかわし、三塁走者として残った。「木浪さんが二塁にいくまでは」と諦めず粘ったことが奏功した。

 持ち前の走力は発揮したが、9回無死一塁のサヨナラの場面では送りバントを失敗する反省も。2軍の鳴尾浜球場で行われたデーゲームのウエスタン・リーグ、オリックス戦に「2番・中堅」で出場し、9回守備が終わると裏の攻撃を待たずに走ってクラブハウスで着替えを済ませ、約10分後に甲子園へ向かった。長い一日を過ごし「きついですね…」と本音も漏れた。

 100周年を迎えた甲子園球場での、今季初の伝統の一戦。伏兵・植田の執念が、6連勝で乗り込んできた宿敵とのドローに導いた。(石崎 祥平)

 《8戦連続2得点以下》○…阪神は1―1で今季2度目の引き分け。チームは4月6日ヤクルト戦の4得点以降、7日の同戦から1、1、2、0、2、2、2、1の8試合連続で2得点以下。8試合以上連続は12年4~5月の10試合(球団最長タイ)以来12年ぶり7度目で、2番目に長い記録になった。

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