WBCで“世界一旋風” ロッテの「たっちゃん」は巻き返しの立役者になれる

[ 2023年3月26日 07:30 ]

ロッテの「たっちゃん」は巻き返しの立役者だ!1日のソフトバンクとの練習試合で2回を6人で抑えた新加入のメルセデス(右)とグラブタッチする田村龍弘
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 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、侍ジャパンの優勝で幕を閉じた。3大会、14年ぶりに世界一を奪回し、日本中を沸かせてくれた侍たちには心からの祝福と称賛を贈りたい。

 大谷翔平(エンゼルス)の二刀流の大活躍も素晴らしかったが、日系選手として初の代表入りを果たしたラーズ・ヌートバー(カージナルス)の攻守にわたる奮闘が強く印象に残った人も多かったのではないか。ペッパーミル・パフォーマンスは日本中で大ブームとなり、選抜高校野球大会で球児によるパフォーマンスが物議を醸したほどだが、ヌートバーの人柄は侍ジャパンのメンバーはもちろん、多くのファンにも受け入れられ、「たっちゃん」は一躍人気者になった。

 「たっちゃん」がこれほど話題になるのは、あだち充氏の人気漫画「タッチ」以来ではないかという指摘が一部にあるが、それはともかく、名前が辰祐(たつひろ)で幼少期に「たっちゃん」と呼ばれていたので、ヌートバーの活躍は実に喜ばしいことであった。

 実は担当球団のロッテにも「たっちゃん」がいる。プロ11年目を迎える田村龍弘(たつひろ)捕手だ。辰年生まれの自分の同級生には「辰」とか「竜」などの文字を使った名前が多く、周囲に「たっちゃん」がたくさんいたが、意外にも「たつひろ」さんに出会うのは高1以来、40年ぶり人生2度目。なので田村にも一方的に親近感を覚え、密かに注目している。

 田村は2016年にベストナインに選出され、オールスターにも2度出場、18年には143試合に出場した不動の正捕手だったが、、昨季は故障もあって、わずか2試合の出場に終わった。背番号を「22」から「27」に変更した今年は、ここまで大きなケガもなく、順調。最後のオープン戦となる24~26日の中日3連戦でも1、2戦で先発マスクをかぶった。

 昨季、ロッテの捕手は佐藤都志也と松川虎生を併用する形だった。そこに田村が加わることで、正捕手争いはよりレベルが高くなり、それがチーム力の底上げになることは間違いない。リード面で引き出しの多さは一日の長がある田村の存在が投手陣にも好影響を与えるかもしれない。ロッテの「たっちゃん」が、昨季5位から巻き返しを狙うチームの“陰の立役者”になることを期待している。(記者コラム・大内 辰祐)

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2023年3月26日のニュース