西武・源田壮亮 緊急事態で実感した侍の一体感 中野拓夢に「ちょっと準備しといて」

[ 2023年3月26日 12:31 ]

<西・D>試合前、花束を受け取り笑顔の(左から)源田、山川、今永、牧ら侍ジャパン優勝メンバー(撮影・白鳥 佳樹)
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 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一に輝いた侍ジャパンの一員の西武・源田壮亮内野手(30)が26日、本拠地に姿を現し、チームから花束を贈呈された。頂上決戦でアクシデントに見舞われた際、肌で感じたチームとしての一体感を振り返った。

 1次ラウンド・韓国戦の3回。二塁走者で、けん制を受けて帰塁した際に右手小指を骨折した。「ベンチ裏に戻って、走塁用の手袋外した時に“あ、これちょっとこのままは無理だな”って思った」と振り返る。栗山監督も帰国してからのテレビ出演時に「ベンチで治療して二塁に戻った後に、周りから“源ちゃん、完全に指が横に向いてます”と報告を受けて、痛み止めもラムネのように口に放り込んで走っていったんですよ」と証言するほどの状態だった。

 源田は「水で飲みました、ちゃんと」と指揮官の言葉は笑顔で否定しながらも、緊急事態だったことは自らで理解していた。「走塁は多分いけると思ったんで、中野選手が近くにいたので“走塁行ってくるから、その間にちょっと準備しといて”っていうふうに言って、グラウンド戻りました」。カバーしてくれる仲間が万全の準備が整うまで、できうる限りの全力で時間をつくるつもりだった。

 交代で出た中野は韓国戦を最後まで出場。チェコ戦、豪州戦はフル出場し、攻守で躍動し、準々決勝・イタリア戦で復帰した源田のために十分な時間をつくってくれた。「やっぱり、すごい一流の選手ですし、あとは任せたっていう感じでいきました」。最後の瞬間にグラウンドに立っていたのは源田。しかしその陰には、ピンチを確実に埋めた中野の存在があった。

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