西武・松井監督 キャンプイン即改革!初日から「走魂」注入

[ 2023年2月7日 05:30 ]

ベースランニングするナインを見守る松井監督(撮影・白鳥 佳樹)
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 12球団で唯一、始動を遅らせていた西武が6日、宮崎・南郷キャンプをスタートさせた。松井稼頭央新監督(47)は初日の午前中から過酷なインターバル走を練習メニューに組み込み、昨季のチーム盗塁数がリーグワーストの60だったナインに次の塁を狙う意識改革を促した。日米通算465盗塁を誇る指揮官が、4年ぶりのリーグ優勝奪回へ、チームスローガンに掲げる「走魂(そうこん)」をいきなり注入した。

 野手陣は息を上げて外野の芝生に倒れ込んだ。午前中ラストのメニューは、インターバル走。左翼から右翼までの直線距離をいっぱいに確保した115メートルを、18秒45以内をノルマに8本だ。ドラフト1位ルーキー・蛭間(早大)は「めちゃくちゃきつかった。いきなりプロの洗礼を浴びました」と顔をしかめ、20年ドラフト1位で体重115キロの渡部は「プロに入って一番きつかった。(体中に)酸素が回らなかった」と天を仰いだ。

 従来の西武キャンプでは午後の練習の締めに行っていたランニングメニュー。疲れがたまっていない体で心拍数を上げることが狙いで、強度も高めた。松井監督は「(キャンプ中で)一番しんどいランニングメニュー。それだけ走れる準備をしてきてくれたことが一番大事」と満足げ。3月開催されるWBCの影響でシーズン開幕が約1週間遅れるため、自主トレ期間を延ばした中で、キャンプ初日の「完走」を称えた。

 「ダラダラやっても仕方ない」と例年より本数を減らした準備運動後のベースランニングは一塁までの駆け抜けが1本と、オーバーランが2本。相手守備陣の送球ミスを想定し、すかさず二塁へ向かう選手もいた。ベースコーチの声や判断に頼れば一歩目が遅れ、命取りになるのがプロの世界。平石ヘッドコーチは「足が速くても遅くても、一瞬のミスにつけ込むことを意識してほしい」と求めた。

 足で黄金期を築き上げてきた歴史がある。「選手・松井」のルーキーイヤーである94年以降、8回のリーグ優勝は全て盗塁数もリーグ1位。97、98、02、18年には優勝に貢献し、97~99年には盗塁王に輝いた。指揮官としても、「盗塁はすぐに数字が上がるわけではないけど、選手が走塁意識を高く持っていくことが大事」と系譜を継いでいく。昨秋キャンプから始めた走塁改革。21年盗塁王で主将の源田は「選手同士で、とにかく走ることは重点を置いてやっている」と語った。

 南郷スタジアムの一塁ベンチにはチームスローガンの「走魂」のロゴが描かれたポスターが2枚貼られた。「いかに相手にプレッシャーをかけられるか。緻密な走塁でよりイメージを持って、積み重ねてほしい」と松井監督。今後もスプリント系のメニューを組み込み、疾走する獅子の魂を植え付ける。(福井 亮太)

 ≪昨年の盗塁数はリーグ最下位…、連覇時はリーグ1位≫昨年のチーム盗塁数60はリーグ最下位。トップのロッテ132盗塁の半分以下だった。西武は18、19年にリーグ連覇しているが18年132盗塁、19年134盗塁でいずれもリーグ1位。松井監督が入団した94年以降では18、19年を含め8度リーグ優勝、優勝年は全て盗塁数もリーグ1位となっている。

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2023年2月7日のニュース