松坂大輔氏 ヤクルト・高橋奎が気にする「真っスラ」逆転の発想で武器にもなる

[ 2023年2月7日 05:30 ]

ブルペンで握手する松坂大輔氏(左)と高橋(撮影・沢田 明徳)
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 【平成の怪物 松坂大輔の探球】高橋投手のブルペン投球を見させてもらいました。インタビューでWBC使用球の感触について聞くと「正直、凄く滑っている。そこに苦戦しています」と。普段、直球を投げる時はシュート回転をさせるそうですが、この日はスライダーのように変化をする「真っスラ」が見られました。滑って抜けるのが嫌で少し引っ掛け気味に投げているとのことでした。

 大会まで約1カ月。まだ時間はあります。抜けるのは仕方がないと割り切って、あまり神経質にならず、気にしすぎないことも必要だと思います。自分も06年の第1回大会の時は、オフから投げてきて、3月頭にようやく間に合ったという感じでしたから。それに「ひょうたんから駒」ではないですが、見ていて高橋投手の真っスラは逆に武器になるのでは、とも思いました。打者の手元での小さな変化。もちろん曲がり具合、投げたい時に投げられるか、など扱うことが難しいボールですが、有効なボールにもなるのではと思いました。

 今回の侍ジャパンの投手陣で左腕は4人。高橋投手は自身の役割について「第2先発だと思う。これ以上点をやれない、という場面でしっかり抑えたい」と力強く言っていました。昨年11月10日の強化試合のオーストラリア戦。先発・佐々木朗投手の後を受けて5回から登板し、2イニングを1安打無失点、4奪三振と好投しました。慣れないリリーフ登板でもすんなり試合に入っていった印象で、3月の本大会でも活躍を楽しみにしています。(スポニチ本紙評論家)

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2023年2月7日のニュース