日本ハム・大海“ゴムボール”でWBC球に対応へ「指のかかりよくなる」

[ 2023年2月7日 06:00 ]

キャッチボールを行う伊藤(撮影・高橋茂夫)
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 3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンの日本ハム・伊藤大海投手(25)が6日、WBC使用球を操るための“秘密兵器”の存在を明かした。自身がブランドアンバサダーを務めるミズノ社から提供を受けたトレーニングボール「MOI―75」だ。投球練習前のキャッチボールで使用し、ボールの回転から指先のかかり具合を確かめている。

 「これを使う前まではWBC使用球に試行錯誤していたんですけど、これで指かかりだけを意識していたら気にならなくなった」

 NPB公式球に比べ、WBC使用球はボールによっては乾燥のために滑りやすいとされる。伊藤もオフからWBCに向けて練習してきたが、手をこまねいていた。そこに昨年12月、ミズノ社で行われたブランドアンバサダー会議で担当者から「こんなのありますよ」と出されたのが、未発売のトレーニングボールだった。

 見た目も重さも表面も通常の硬球と変わらないが、中には鉄球が仕込まれている。鉄球をゴムで包みこむ構造で、表面は若干の弾力がある。リリース時に中指と人さし指で均等に押し込まなければ縦回転が生まれない作りで、本来は回転数を上げる練習をするためのボールだ。

 「ごまかしが利かないんですよ。ちょっと(指先)のかかりが悪いとシュートしたり、スライダーしたり」。1月中旬の自主トレから使用。より指先の感覚を意識するようになり、WBC使用球に戻した時に指のかかりが良くなったという。

 WBC使用球では変化球の曲がり方も異なる。「フォークはちょっと難しい。抜けるというか、ロケットみたいに真ん中付近に行ってしまう」。一方でツーシームは右打者の懐に食い込みながら落ち、「ハードシンカーみたいな(変化をする)。日本のボールでも投げたいくらい」と手応え十分だ。

 本番まで1カ月余り。世界一奪回に貢献するため、WBC使用球のマスターに取り組む。(清藤 駿太)

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2023年2月7日のニュース