DeNAから伊藤裕を獲得した楽天の思惑とは 右のパワーヒッターが手薄で外国人も不発

[ 2022年7月28日 11:52 ]

球宴第2戦の舞台・松山から移動する石井監督 (撮影・光山 貴大)
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 7月末の補強期限が間近に迫ったタイミングで、今年も楽天が動いた。28日に森原康平投手(30)との交換トレードでDeNAから伊藤裕季也内野手(25)の獲得を発表した。パンチ力が魅力の右打者はチームの補強ポイントで、得点力アップに期待がかかる。

 前半戦を3位で折り返した楽天には、9年ぶりのリーグ優勝に向けてオフェンス面を強化したいという思惑があった。島内、銀次、鈴木大、茂木、西川、辰己らアベレージを残せる左打者が多いものの、浅村以外に中軸を担える右打者は手薄だ。内田や和田恋、横尾、岩見ら右打ちのパワーヒッターが1軍に定着できていない。ポイントゲッターとして期待されていたギッテンスが故障離脱中で、マルモレホスも打撃不振で2軍調整が続いている。

 伊藤裕は楽天では希少な大型内野手で、長打力は大きな魅力でもある。年齢も来月で26歳と若く、既存の若手野手の競争意識を高める存在にもなり得る。立正大で同学年だった小郷とは再びチームメートに。相談できる旧知の仲間がいることで、よりスムーズに新天地に馴染みやすい環境とも言える。

 GMを兼務する石井監督は、これまでも積極的にトレードを成立させてきた。「トレードはネガティブなことではない」と強調してきたように、必要とされている選手が新たな環境でチャレンジできるチャンスが生まれる。

 パ・リーグは首位ソフトバンクから5位オリックスまで2・5ゲーム差にひしめく混戦状態のまま後半戦に突入する。「ここからしびれる戦いをしたい」と石井監督。伊藤裕がキーマンの一人になれるか注目が集まる。

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2022年7月28日のニュース