阪神・近本、驚異の打率.733 真の球宴男だ「すごい楽しい」途中出場で連日のマルチ 後半戦も任せた

[ 2022年7月28日 05:15 ]

マイナビオールスターゲーム2022第2戦   全セ1ー2全パ ( 2022年7月27日    松山 )

<全セ・全パ>9回、益田から安打を放つ近本(撮影・光山 貴大)
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 「マイナビオールスターゲーム2022」の第2戦が27日、愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムで開催され、阪神・近本光司外野手(27)が2戦連続のマルチ安打を記録した。6回の守備から途中出場して2安打。これで球宴打率は通算6試合で・733(15打数11安打)だ。昨季178安打でリーグ最多安打のタイトルを獲得した虎のヒットマンが今年もお祭り男ぶりを発揮。全パの連勝で幕を閉じ、セ、パ両リーグともに、29日に後半戦が再開する。

 お祭り男は最後までお祭り男だった。1点劣勢の9回2死一塁。近本は、カウント1―1から守護神・益田の直球をいとも簡単に中前へはじき返した。前夜に続き、この日もマルチ安打を記録。表彰台には上がることはなくても、坊っちゃんスタジアムに集結した野球ファンを最後まで沸かせた。

 「ホームランを狙ったんですけど。打球が上がらなくて…。(でも)すごい楽しいオールスターだった」

 打席の中で秘めていた思いを明かした。6回の守備から途中出場。1打席目は7回2死の場面で回ってきた。その狙いは今季1本しか記録していなかった本塁打。岸には簡単に2球で追い込まれた。しかし4球目の外角直球にうまく反応。打球は三塁手の宗がダイビングキャッチを試みたグラブをかすめる内野安打だった。

 「ホームランを打つ練習はしていないので…。ここぞという時にホームランを打てる練習をしておきます」

 狙いは不発に終わりながらも笑顔だった。その余裕の表情も数字を見れば一目瞭然だ。実に球宴打率は驚異の・733(15打数11安打)。球界の精鋭が集う祭典で、高校野球の地方大会とも言えるような成績を誇っている。球宴初出場の19年の第2戦では新人では史上初のサイクル安打も記録。今では名実ともにお祭り男といえる。

 一方で試合前には年下の坂倉とも意見を交換していた。具体的な内容は明かさなかったが充実の表情。第1戦では塩見と盗塁や打撃談議に花を咲かすなどレベルアップへ向けて他球団の選手とも交流戦を図っていた。

 今季の序盤は決して順風満帆ではなかった。3、4月の30試合は打率・231。それでも着実に本来の実力を発揮していった。7月7日には球団記録に並ぶ30試合連続安打も達成。断トツのリーグ最下位から、2位浮上の中心としてチームをけん引してきた。

 「後半戦も暑い夏なんで体調、体力を万全にして(後半戦を)迎えられるように。最後まで乗り切れるようにやっていきます」

 すでに気持ちは先に向いていた。この2日間は野球の原点である“楽しむ”を体現した背番号5。12球団で唯一フルイニング出場を続ける安打製造機は、奇跡のドラマ実現へ向けて後半戦もお祭りにする。(石崎 祥平)

 《15打数以上で断然トップ》近本(神)が途中出場で2打数2安打。球宴の通算打率を・733(15打数11安打)に伸ばした。これは通算15打数以上では白仁天の・524を大幅に上回る歴代トップ。なお公式ガイドブックに記載の記録は30打数以上。150打数以上の長嶋茂雄・313まで各区切りのトップにはレジェンド級の顔ぶれが並ぶ。

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