富島、3年ぶり2度目の夢切符 雨で中断も関係なし!日高91球完封

[ 2022年7月28日 06:00 ]

第104回全国高校野球選手権宮崎大会決勝   富島2―0宮崎西 ( 2022年7月27日    ひなたサンマリンスタジアム )

<富島・宮崎西>甲子園出場を決め、歓喜の富島ナイン 
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 91球目。9回2死で、自己最速タイの148キロでこの日9個目の三振を奪った富島のプロ注目右腕、日高は両腕を突き上げた。二塁を踏ませない快投で3年ぶりの甲子園切符をもたらし、マウンド付近でチームメートと喜び合った。1メートル83の長身エースは「優勝したんだなあ、と思った」と感慨深げに話した。

 課題とする立ち上がりを無失点で抑えた。3回表終了後に1時間25分、降雨のために中断したが、集中力を切らさぬようブルペンで体を動かした。

 中断後のピッチングは圧巻だった。「(球が)走っていたと思います」と話す直球は尻上がりにスピードが増し、常時140キロ台前半。フォーク、チェンジアップなどの変化球を駆使し、打たせて取る投球で寄せつけなかった。

 浜田登監督は「彼の成長があったからこその甲子園」と語った。これまでの日高は味方に失策があるとマウンド上で表情に出してしまうことが多く、指揮官から叱責(しっせき)を受けることも。春季大会後に「ミスしても点が入る訳じゃないので。自分が抑えればミスはなくなる」と意識を変えたことで、マウンド上での振る舞いが変化。今大会では5試合中4試合を一人で投げ抜き、43回で失点は3(自責2)。防御率は0点台をマークした。

 富島は18年春、19年夏に甲子園に出場したが、ともに初戦で敗れた。プロ志望の日高にとっては絶好のアピールの場になる。「凄いバッターがいる中で自分のピッチングがどれだけ通用するか、やってみたい」。聖地初勝利を呼び込む快投を誓った。(杉浦 友樹)

 ◇日高 暖己(ひだか・あつみ)2004年(平16)9月16日生まれ、長崎県諫早市出身の17歳。生後4カ月で宮崎県へ。小1で細島スポーツ少年団でソフトボールを始める。小5から投手。中学は富島中の軟式野球部で内野手と投手を兼任。高校では1年秋からベンチ入り。憧れはオリックス・山本由伸。1メートル83、75キロ。右投げ左打ち。

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2022年7月28日のニュース