ロッテ・朗希は岩手の誇り 地元から熱いエールとさらなる活躍への期待

[ 2022年7月28日 05:10 ]

マイナビオールスターゲーム2022第2戦   全パ2-1全セ ( 2022年7月27日    松山 )

<全セ・全パ>先発した佐々木朗(撮影・平嶋 理子)
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 朗希は岩手の誇りだよ――。高卒3年目の今季は4月10日のオリックス戦でプロ野球史上では28年ぶりとなる完全試合を達成するなど大ブレークを遂げ、ファン投票で堂々の選出となったロッテ・佐々木朗。地元の岩手で縁のある人々が、怪物右腕に向けてメッセージをつないだ。

 その活躍が、東北の人々にどれだけの勇気を与えているか計り知れない。佐々木朗はファン投票で初出場となった真夏の祭典でも剛速球を連発し、全国のファンを魅了した。

 地元である岩手県の陸前高田市の市民や関係者も今後のさらなる活躍に期待を寄せる。同市の戸羽太市長(57)は「陸前高田や大船渡の、この地域の方々は凄く喜んでいると思います」とコメント。日本球界にとどまらず「最後はメジャーに行ってほしい」と青写真も描く。一方でテレビなどのインタビューで口数が少ない右腕に「もう少し、メディアに対してのリップサービスができるぐらいの男になってほしい。大谷(翔平)君ぐらいのキャラクターにならないと(米国では)溶け込めないと思う」と笑い、期待しているがゆえの注文も付けた。

 少年野球時代の監督で、現在は同市職員で後援会の事務局長も務める村上知幸さん(52)は「ケガせず、1年間、投げ切って10勝とかできればいい」とプロで大ブレークを果たした教え子を温かく見守っている。後援会としては将来的に野球教室の開催を検討しているといい「何年後になるか分からないですが、(佐々木朗に)陸前高田に来てもらって子供たちに夢を与えてほしい」と願う。

 野球に明け暮れた少年時代は、球宴に出場するスター選手たちに自身の夢を重ねていた佐々木朗。かつて在籍した高田野球スポーツ少年団で主将も務める菅野樹良さん(11)は「陸前高田のスターです。投げる時はほとんど見ています」と目を輝かせる。怪物右腕も郷土への思いを胸に成長を続けていく。

 《行きつけ「四海楼」で試作品を食べて「おいしいです」》佐々木朗が帰省した際に、よく足を運ぶのが中華料理店「四海楼」だ。東日本大震災の津波で亡くなった父・功太さんもよく訪れたこの店の看板メニューが「麻婆(マーボー)担々麺」。功太さんや町内会の人たちが集まって担々鍋で宴会をした後に、麺と麻婆豆腐を入れ食べた「シメ」が元になっている。店長の長田正広さん(57)は「朗希も(プロで)1年目が終わった後に帰ってきて、試作品を食べて“おいしいです”って言ってくれてたね」と懐かしそうに振り返った。

 《大船渡時代の同僚・新潟大の大和田投手 投球が「刺激に」》かつての同僚もメッセージをつないだ。大船渡時代の同僚で現在は新潟大の大和田健人投手(20)は「朗希の投球が見ている人を楽しませたり勇気を与えてくれる。刺激になっています」とコメントした。仙台市のスポーツジムでパーソナルトレーナーを務める菊地広翔さん(21)は佐々木朗とは保育園から中学校まで同じ。小3で野球を始めた時も11年の東日本大震災で津波から逃げたときも一緒だった。同級生たちはそれぞれの場所で、佐々木朗の活躍を見守っている。

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2022年7月28日のニュース