創部102年目の盈進、48年ぶり聖地 脱サラOB佐藤監督「新しい歴史をつくろう」にナイン応えた

[ 2022年7月28日 06:00 ]

第104回全国高校野球選手権広島大会決勝   盈進9ー4尾道 ( 2022年7月27日    しまなみ )

<盈進・尾道>48年ぶり3度目の甲子園出場を決めた盈進(撮影・河合 洋介)
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 波乱の広島を制したのは、創部102年目の盈進だった。佐藤康彦監督は「コツコツと良いものが積み上げられてきたから今がある」と良き伝統に感謝する。同点に追いつかれた7回に秋田浩侑(3年)が決勝の適時二塁打を放ち、8回に一挙5点で突き放した。伝統校で受け継がれてきた泥くささが、48年ぶりの聖地につながった。

 「脱サラ」が伝統校の歴史を変えた。佐藤監督は同校出身。創価大から王子製紙に入社し、04年には都市対抗野球で優勝した。そんな順風満帆なサラリーマン生活を捨て、16年8月から母校の監督に就任した。「盈進OBとして社会人まで経験した自分にしかできないことがあると思った」。ナインに伝えたのは「新しい歴史をつくろう。今の野球が盈進野球だ」。社会人日本一とトーナメントを勝ち抜く術を知る指揮官は「守りなくして勝利なし」と守備練習に時間を割いた。最後のアウトは中堅・山藤龍希(3年)の華麗なダイビング捕球で奪取。今夏7戦66点を挙げた猛打の裏には、確かに築き上げた守備力があった。

 昨秋の県大会準々決勝・広陵戦では、9回に逆転されて1点差の惜敗。練習では選手同士で「広陵なら、どうしてくるだろうか」と声をかけ合い、妥協しなかった。広陵や広島新庄、広島商など優勝候補が次々と敗退した波乱の夏に、朝生弦大主将(3年)は「本当は自分たちが広陵を倒したかった」と苦笑いを浮かべる。そんな強気な選手たちがそろう伝統校が聖地に帰る。(河合 洋介)

 ▼阪神・江草2軍投手コーチ(98年度卒)本当におめでとうございます。本当に選手たちが頑張ってくれました。OBの一人として誇りに思います。昨年、母校で選手たちを激励する機会がありました。甲子園では盈進旋風を巻き起こしてほしいです。そして全国の人たちに「盈進(えいしん)」と読んでもらえるように健闘を願っています。

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