阪神・青柳“あっ晴れ4勝”忘れない感謝「野手が打ってくれたから楽に」防御率リーグトップ返り咲き

[ 2022年5月15日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神9-2DeNA ( 2022年5月14日    横浜 )

<D・神>DeNa打線を6回2失点に抑えた青柳(撮影・島崎 忠彦)
Photo By スポニチ

 状態が悪くても白星をつかみ、チームの連敗を止める。快投だけでないエースの務めを阪神・青柳が見事に体現した。

 「何とか6回まで2失点でいけたというのは、野手が打ってくれたから楽に投げられたというのもそうですし。周りに引っ張ってもらって、6回まで投げられたという感じ」

 中日・大野雄と球史に残る投げ合いを演じた前回6日から一転、言葉には“苦闘”の跡がにじんだ。序盤からツーシーム、直球を捉えられ、制球にも苦しみ3者凡退は一度もなし。「思い通りの所に投げることができなかった。投げきらないといけないところで甘く入ってしまったり」。それでも、大崩れしないのは決して単調にならない“引き出し”を備えるからだ。

 走者を背負えば、クイックを交えてタイミングをずらし、中盤からは高めのボールやシンカーを多投して緩急も駆使。「抜くボールだったり、スライダーから入ってみたり。前半のヒットはほとんど真っすぐ系だった。梅野さんが考えてくれていた」と女房役との共同作業できっちり6回2失点にまとめた。

 スタンドでは母・利香さんに加え、兄・勇輝さんの姿もあった。兄は当初、弟が投げない土曜日に来場予定。13日の中止でスライド登板になったことで生観戦が実現した。家族孝行を果たし、「僕が勝手にズレただけで珍しい観戦」と苦笑いを浮かべた。

 この日も野手に頭を下げたように、常に周囲への感謝を忘れない。昨オフには行きつけのフルーツ店に東京五輪で獲得した金メダルを持って突然来店。記念撮影にも快く応じるなど店員たちを喜ばせた。

 再び規定投球回に到達し、防御率1・09でリーグ1位に返り咲いた。「またあさってくらいには消えてしまう数字。もっと長いイニングを投げて、ずっと規定に乗れるように頑張りたい」。立ち止まることを知らない大黒柱は「次」を見据えた。(遠藤 礼)

 《虎の“ハマスタ巧者”たち》今季初登板の青柳は通算8試合で6勝目(1敗)とし、東京ドームに並ぶ敵地最多勝。近本は新人の19年に19安打2本塁打の打率・396を残し、通算打率・338はセ球団本拠地でトップ。通算14盗塁も敵地最多。佐藤輝もセ球団本拠地で最も得意の通算打率・357。通算3本塁打で昨季4月9日には場外弾も放った。

続きを表示

2022年5月15日のニュース