4番・岡本和敬遠に燃えた!巨人・中田 逆転満弾「興奮していて…凄く気持ち良かった」

[ 2022年5月15日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人7―6中日 ( 2022年5月14日    東京D )

<巨・中>7回、満塁ホームランを放ち喜びを爆発させる中田(撮影・白鳥 佳樹)
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 巨人の中田翔内野手(33)が14日、中日戦の7回1死満塁で左翼席に逆転のグランドスラム。直前に4番の岡本和が申告敬遠で歩かされたことに発奮した。満塁弾はキャリア7本目だが、その全てで前打者が四球。前の打者が歩かされたら黙ってはいない男の意地の一発で3連勝を決め、3位ながら首位・ヤクルトと0・5ゲーム差の好位置につけた。

 一塁に走る途中、スタンドインを確認した中田が心の底から吠えた。「シャーッ!」。2試合連発となる4号は、4月3日の阪神戦以来となる今季2本目の満塁弾。「興奮していて、あまり覚えていないけど凄く気持ち良かった」と振り返った。

 7回。2点差に迫り、なお1死二、三塁で前を打つ4番・岡本和が申告敬遠で歩かされた。満塁。6回は無死満塁で二飛に倒れていた。期待と不安。相反するG党の思いがぶつかり合う中、祖父江の甘く入ったスライダーを左翼席に突き刺した。決勝の逆転満塁弾。前日はプロ15年目で初の犠打を決めており「バントの次に興奮しました」と「中田節」も飛び出した。

 これで通算7本目の満塁弾。実はその全てが前打者の四球後だ。塁を埋めて自身との勝負を選択されることは過去3度の打点王に輝いた長距離砲の胸も当然ざわつく。ネクストサークルでは力みにつながる怒り、もどかしさなどの余計な感情を押し殺す。「頭に入れていたシチュエーション。冷静に打席に立てた」と中田。心は熱く、頭は冷静さをキープして快音を響かせた。

 自他ともに認めるスロースターター。昨季途中まで所属した日本ハムでは不動の4番で、たとえ状態が悪くても復調を待ってもらえた。だが戦力が厚い巨人では違う。打率・188で33歳の誕生日だった4月22日に2軍落ち。それでも腐ることなく「結果の世界。仕方ない」と自らに言い聞かせた。決して下は向けない。若手に見せる背中があるからだ。

 1月に行った石垣島での合同自主トレでは高卒2年目の秋広らを「今年が最後だと思ってやらなアカン。俺もそう。それぐらいの意気込みでやらな、この世界では無理や」と鼓舞。2軍戦ではリズムの取り方、間合いを見つめ直した。これで1軍復帰後の4試合は打率・385、2本塁打、7打点となった。

 中田は「油断して調子に乗って、またアカンっていうケースもある」と気を引き締める。チームは3連勝で3位ながら首位のヤクルトに0・5ゲーム差。4番・岡本和の後に「燃える男」がいれば、首位返り咲きも近い。(花里 雄太)

 ≪5月で今季2発目≫中田(巨)が決勝の4号逆転満塁弾。自身の満塁本塁打は、4月3日阪神戦以来通算7本目で、うち6本が肩書付きの決勝弾だ。この日は、岡本和が申告敬遠で歩いた直後の一発。中田の満塁弾の前打者の打席結果を見ると、7本とも四球の後で、申告敬遠後は、日本ハム時代の19年3月29日オリックス戦(打者近藤)以来2本目となった。なお、巨人打者のシーズン最多満塁本塁打は99年高橋由伸、00年江藤智の各3本となっておりあと1本で並ぶ。また、チームの通算満塁本塁打は249本目となり、節目の250号に王手がかかった。

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