広島・森下　7回2失点の粘投にも反省の弁「いい内容ではなかった」

セ・リーグ   広島3-5ヤクルト （ 2022年5月14日    マツダ ）

＜広・ヤ＞7回を投げ2失点と粘りの投球を見せた森下（撮影・坂田　高浩）
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　広島・森下暢仁投手（24）が14日のヤクルト戦で4勝目を逃した。7回で10安打を浴びながら2失点（自責1）の粘投。坂倉の3号勝ち越し弾で一度は勝利投手の権利を得ながら、8回に救援した新外国人ターリーが誤算だった。4月28日の9失点さながらの悪夢。同カードは3連敗で、首位陥落となった。

　女房役のソロアーチで権利を得た4勝目は無情にもスルリと逃げた。勝利への執念を燃やして7回119球を投げ、実に10安打を浴びながら2失点（自責1）に抑える粘投。それでも森下に満足感はない。試合後は反省の言葉が口を突いた。

　「いい内容ではなかった。初回からピンチをつくっているし、ずっとランナーも出していた。リズム的にもよくないし、3人で終わる回をしっかりつくれたら…と思います」

　制球に苦しんだ。連打と四球で招いた初回無死満塁。村上を一ゴロに斬って三走を本塁で封殺したものの、中村の一邪飛をマクブルームが落球（失策）、直後に左前打を浴びた。ただ、続く青木はカーブで二ゴロ併殺。真骨頂だった。

　悔やまれるのは6回だ。先頭・村上に同点弾を許した1球。カウント2―2と追い込みながら151キロ直球が甘く入り、左翼席へ運ばれた。味方打線が逆転してくれた直後。言われるまでもなく、この回の重要性は分かっている。

　「全体的に真っすぐ中心になっていた。もっと早い段階から話し合ってやっていけばよかったと思います」

　直後の2死一、二塁では、しかし、代打・川端を低めカットボールで空振り三振。その裏に坂倉が勝ち越し弾を放つと、7回は3人で退けた。最後の山田の打席ではこの日の最速153キロを計測。意地だった。佐々岡監督は森下をねぎらう。

　「真っすぐを強振されていたけど、マウンドで修正したのはさすが。粘り強く抑えて試合をつくってくれた」

　登板7試合のうち6試合でクオリティースタート（6回以上で自責3以下）をマークする安定感。投球回数はリーグ最多の56回となった。調子が悪くても試合をつくり、要所で制球ミスが少ない証だ。

　「相手も毎年レベルアップするし、抑えたいという強い気持ちも出てくる。対戦はまたあるので、その時は抑えたいと思います」

　反省を糧に、より高みを目指す24歳。若き敵の主砲へのリベンジ宣言で締めた。（江尾　卓也）