ヤクルト・村上　逆転劇呼ぶ2打席連発10号＆11号でキング岡本和に1差、4日ぶり再奪首貢献

セ・リーグ   ヤクルト5―3広島 （ 2022年5月14日    マツダ ）

＜広・ヤ＞8回、村上は2打席連続本塁打となるソロを放つ（撮影・坂田　高浩）
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　歴史に名を残す打者は「天敵」を攻略していくことで、さらに高みへ歩を進める。ヤクルト・村上にとって森下は苦手な投手の一人だ。試合前の時点で対戦成績が23打数3安打で打率・130。「逆らわず、しっかり押し込むことができた」と手応え抜群の一発を放ったのは6回先頭だ。

　2ボール2ストライクから投じられたのは151キロ直球。村上は体の近くまで呼び込み、逆方向の左翼に打った。普通の打者なら差し込まれてポップフライとなるほど体に近いミートポイントだったが、打球は左翼席の上段まで達した。4年連続2桁到達となる10号ソロ。「凄い投手。試合に入る前は（ロースコアの）1点差勝負だと思った」と語った。

　金メダルを獲得した昨夏の東京五輪で同僚だった森下から初アーチ。昨季は初の本塁打王とMVPにも輝いたが変化を恐れない。今季も「試行錯誤しながらやっています」と新しいバットや打撃フォームに挑戦。師弟関係にある杉村打撃コーチには「最高の形、最高の成績を長く続けたいからいろんなことをやってます」と理由を明かす。青木、内川を育てた名伯楽である同コーチも「あれだけ成績を残しているのに変える勇気は素晴らしい」と感嘆する向上心が天敵攻略につながった。

　8回先頭ではターリーの154キロ直球を振り抜き中堅に11号ソロ。今季初、通算4度目の2打席連発でリーグトップの巨人・岡本和に1本差とした。チームは0・5ゲーム差で追っていた広島に勝利し、4日ぶりに首位に浮上。高津監督はともに同点ソロだった2発を放った村上を「一振りでゲームの流れを変えられる。期待はしているけれど、やっぱり大きい」と評価した。

　これで今季のマツダスタジアムは3戦3勝となり、敵地で16勝4敗と驚異の強さを誇る。「明日（15日）も打てるようにやっていきたい」と村上。理想の打撃を追い求めることが、チームの勝利にもつながる。（青森　正宣）