楽天の西川「完全にまぐれ」1号 流れ呼び戻す2安打3得点で先発・岸に「恩返し」

[ 2022年4月7日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天7―2西武 ( 2022年4月6日    楽天生命 )

<楽・西>お立ち台に上がる西川(撮影・篠原 岳夫)
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 新鮮な気持ちでダイヤモンドを一周した。楽天・西川は今季1号を「完全にまぐれ」と謙遜したが、チームを2連勝に導く移籍初アーチの感触は格別だ。5回に先発・岸が2点を失い、1点差に詰め寄られた。「お世話になっている岸さんに恩返しをしたかった」。直後の攻撃で先頭・西川は右中間へのソロを放ち、相手に傾きかけた流れを引き戻した。

 1月下旬に楽天生命パークで初めて自主練習を行った際、最初に声を掛けてくれたのが岸だった。それまで会話を交わしたことがなかった8歳上の大先輩。同じ移籍組でもあり、キャンプ中も「体調は大丈夫?」などと気に掛けてくれた。前日に続き先制のホームを踏むなど2安打3得点と活躍し、ともに上がったお立ち台では「僕よりたくさんお金を持っているので何も恩返しできないけど、こういう形で恩返しできて良かった」と、冗談交じりに感謝を伝えた。

 春休み期間のため、この2連戦は平日ながらデーゲーム。中学生以下は入場料無料で、球場は多くの家族連れでにぎわった。和歌山出身の西川は、幼稚園の頃に甲子園で初めて阪神戦を観戦し「大豊さんが退場になった試合です」と振り返る。幼少期の思い出は大人になっても忘れないもの。楽天のリードオフマンとして躍動する姿は、多くの子供たちの記憶に残ったはずだ。

 新天地でのシーズンは開幕したばかりだが「所属先がなくなって楽天に入って、子供に戻ったような新たな気持ちを思い出させてもらった」。春は始まりの季節。初心を胸にチームをけん引している。(重光 晋太郎)

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