MLBファンの思いは複雑 開幕直前にAP通信が意識調査の結果を公表 進む“メジャー離れ”

[ 2022年4月7日 08:27 ]

ファンが差し出すボールにサインするカブスの鈴木(AP)
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 AP通信は6日、開幕直前となった労働争議を終えたあとのメジャーリーグにおけるファンの意識調査の結果を公表。全体の4分の3が当初の予定から7日遅れとなった開幕への高揚感を抱いていると回答したものの、4分の1は99日間におよんだロックアウトについて怒りを感じていると答えた。

 米国民全体で「メジャーのファンである」と答えたのは27%。45歳以上では32%に上昇するが、より若い世代では22%にまで数値は下がり、若者の“メジャー離れ”が加速している現実も浮き彫りになっている。

 「昔はメジャーのファンだったが今はそうではない」とした人は22%。コロラド州出身で70歳のドナルド・ジョイさんもその1人で「何もかもナンセンス。一年に2000万ドルのサラリーをもらっているのに文句を言っている」とファンを辞めた理由を語り、入場料やホットドッグなどの飲食費の高騰を挙げて「金持ちのスポーツ。もはや大衆のものではない」とまで言い切った。

 鈴木誠也(27)が入団したカブスの試合を見て育ったというジェイソン・ティモンズさんは「金持ちと金持ちが些細なことで争っている。彼らが関わっているのは野球にすぎない。世の中にはもっと大切なものがあるというのに…」と労使双方の態度を批判。3月31日から4月7日になった開幕日についてティモンズさんは把握しておらず、「労働争議で興味がなくなった」と語っていた。

 「ロックアウトがスポーツ界に大きな影響を与えた」としたのは8%で「何らかの影響を与えた」と答えたのは39%。最低年俸が57万500ドルから70万ドルに上がるなど一定の成果は出ているが、ニューメキシコ州出身でヤンキースのファンというメアリー・オコネルさんは「選手がより多くのお金を稼ぐことをねたんだりはしないけれど、もうこの話には興味はないわ」と答えるなど、無関心派も増加。ロックアウトが残した“傷跡”はまだファンの間では消え去っていないようだ。

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2022年4月7日のニュース