カブスの先輩・ムネリンが誠也にアドバイス 強風とツタに要注意、アメリカの文化を楽しんで

[ 2022年4月7日 02:30 ]

カブスの鈴木誠也(AP)
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 大リーグは7日(日本時間8日)に開幕する。1年目のカブス・鈴木誠也外野手(27)は同日に本拠地でのブルワーズ戦に臨む。カブスの先輩で、16年の108年ぶりワールドシリーズ制覇へ貢献した川崎宗則内野手(40=BC栃木)が、後輩へ「シカゴ徹底攻略ガイド」を伝授。メジャーでも独特な本拠地球場やチーム気質、シカゴでの過ごし方など、経験者にしか分からない知識を伝えエールを送った。

 鈴木選手にはアメリカの文化を楽しんでほしいと思っています。もちろん僕も含めて野球の活躍をみんなが期待してますけど、アメリカの空気、においを感じてほしいですね。

 僕はメジャーに上がることも少なくてマイナーが多かった。詳しく分からない部分もあるけど、カブスは中地区の人気球団で、ファンもたくさんいます。東地区のヤンキースは日本でいうと巨人に例えられることが多いですが、カブスは阪神タイガースに似ているという人が多い。

 歴史もあるし、ファンも熱狂的です。でもそれは、それだけチームに愛着があるから。もし鈴木選手もブーイングされることがあったら「これこそがアメリカの文化」。そう思って受け入れてほしい。日本にいる時と変わらず、堂々としていればいいと思います。

 僕は全然話せないし、聞き取れませんが英語が好き。通訳を通すとどうしてもメディアとの距離ができやすい部分もあるので、僕は極力、自分で話すようにしていました。メディアの人に「ロッカーはどこだ?」とか聞いたり。メディアの中も「カワ(川崎)を俺たちが助けている」みたいな感じになっていたと思う。そうしてコミュニケーションを取っていたから、助けられた印象しかない。厳しいことを書くのは仕事だけど、彼らも人間。一生懸命に文化に溶け込もうとする熱意は感じ取ってくれる。鈴木選手も英語が嫌じゃなければ、話してみることをお勧めします。

 シカゴはデーゲームが多い。年間を通して風が強いので、日差しがある中でのフライには要注意です。僕も捕球の練習を繰り返しました。球場のフェンスもボールが絡んでしまうほどのツタに覆われています。その場合に適用される特別なルール(※注)まであります。周りの選手に教えてもらうでしょう。「すぐに手を上げろ。捜しにいくなよ」とかね。試合をこなして早く慣れるしかないと思います。

 シカゴの街でおすすめは焼き肉屋さんの「シカゴ カルビ」。とにかくおいしい。お気に入りは「タン」と「ハラミ」。イチローさんにもよく連れて行ってもらいましたし、家族でも何度も行った。メジャーでプレーした日本人選手のほとんどの写真が飾ってある。鈴木選手も必ずハマるはずです。

 日本人野手がメジャーで結果を残すのは大変。どっちが凄いとかではなく「野球」の質が違うから。最初は苦労するかもしれないけど、変化を恐れずアジャストして、アメリカ仕様の「SUZUKI SEIYA」としてプレーしてほしい。楽しみにしています。 (栃木ゴールデンブレーブス内野手)

(※注)カブスの本拠地リグリー・フィールドは外野フェンスがツタで覆われており、ツタの中にボールが入った際には球場特別ルールで二塁打となる。外野手は両手を上げて合図する。

 ◇川崎 宗則(かわさき・むねのり)1981年(昭56)6月3日生まれ、鹿児島県姶良市出身の40歳。鹿児島工から99年ドラフト4位でダイエー(現ソフトバンク)入団。11年オフに海外FA権を行使しマリナーズ、ブルージェイズ、カブスを経て、17年にソフトバンクに復帰した。カブスでは16年にプレーし、ポストシーズンは登録を外れたが同行し、チームは108年ぶりにワールドシリーズ優勝を果たした。今季はBC栃木に所属。1メートル80、75キロ。右投げ左打ち。

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