日本ハム・新庄ビッグボス　幸運のポトリでサヨナラ初体験「ナイスゲーム!!」インスタで称賛

パ・リーグ   日本ハム3―2ロッテ （ 2022年4月6日    札幌D ）

＜日・ロ＞ウイニングボールを手に北山（左）と写真に納まる新庄監督（撮影・高橋　茂夫）
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　日本ハムは6日、ロッテ戦に3―2で9回サヨナラ勝ちを収めた。無死一、三塁から左翼線への浅い飛球を相手の左翼手が捕球せず、三塁走者が生還した。4回には前夜に好機で凡退した清宮幸太郎内野手（22）が初の本拠での4番アーチとなる豪快な2号ソロ。開幕10戦で1勝9敗の苦しいスタートとなった新庄剛志監督（50）だが、初の劇勝を弾みにする。

　新庄監督から「行け！」と送り出された宇佐見は、左翼線へ浅い飛球を打ち上げた。タッチアップ不可能な距離だったが、ポトリ。三塁走者・細川はつんのめりそうになりながら生還した。

　「“あ～、やっちゃった”と思いました。からの“おー、よっしゃ！”みたいな感じ。びっくりしました」

　宇佐見を中心に歓喜の輪が広がり、指揮官も就任後初のサヨナラ勝利にベンチで大喜び。そこからがビッグボス流だ。ナインが引き揚げるとグラウンドへ。プロ初勝利を挙げたドラフト8位・北山のウイニングボールをロッテベンチへ自らもらいに行ったのだ。

　「シーズンが始まれば選手が主役」と言い続けた新庄監督。試合後も「選手に聞いてあげて」と取材対応しない異例のポリシーを貫き、ボール回収という「裏方」を買って出た。その上で、インスタグラムでは「ナイスゲーム！！」とつづり、野村、清宮、石井、上野、加藤、北山の名前を挙げてナインを称えた。

　采配もハマった。2―2の9回、先頭のヌニエスが死球で出塁すると、代走・細川を起用した。続く石井は相手ベンチの裏をかく初球エンドラン。石井が外角直球を一、二塁間に引っ張り込んで一、三塁とし、一打サヨナラのお膳立てをした。

　4番起用された清宮も期待に応えた。5日のロッテ戦の2点を追う7回1死満塁で代打出場し捕邪飛。3ボールから「打て」のサインが出た4球目の直球を見逃し、「俺は君を信じて打てのサインを出している」と注意されていた。新庄監督に2日連続で早出特打に付き添ってもらい、4回に本拠で通算10本目、4番では初のアーチを放ち、こう言った。

　「昨日あんなチャンスでヒーローを逃しているので、今日は絶対打ったろうと思っていた。（過去）10戦で1勝しかできてないので、多分いろいろなことを言われてるんだろうと思うけど、僕たちの力不足でしかない。たくさんビッグボスに勝利を届けたい」

連敗を4で止め、ようやくつかんだ今季2勝目。つながりを欠いていた打線も11試合目で初の2桁安打を放った。日本ハム打線の開花はまもなくだ。（東尾　洋樹）