阪神の悪夢 セ・リーグ最速10敗目に矢野監督「最後のイニング、1イニングをどう抑えるか」

[ 2022年4月7日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神1ー6DeNA ( 2022年4月6日    甲子園 )

<神・D>延長の末に敗れ、厳しい表情で引き揚げる矢野監督(撮影・北條 貴史)
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 阪神は今季初の延長戦にもつれ込んだ6日のDeNA戦に競り負け、開幕11試合での10敗到達でセ・リーグ最速を更新した。1―1の12回に悪夢の5失点。攻撃陣も振るわず、前夜の今季初勝利を連勝につなげられなかった。11回に登板した湯浅京己投手(22)は味方拙守で背負った無死三塁を切り抜けて“守護神適性”を発揮。逆襲への希望はある。

 痛恨の10敗目だ。投入した投手が次々打たれた延長12回の5点は、ブルペン陣に不安を抱える猛虎の傷口に塩を塗られているかのようだった。矢野監督は冷静に努めた口調に悔しさをにじませた。

 「最後のイニング、1イニングをどう抑えるかっていう投手を育てる課題が開幕からある。そこらへんかな」

 4番手の斎藤が乱れた。先頭の牧を中前打で出すと、制球が定まらない。四球と盗塁で無死一、三塁とし、元阪神の大和に勝ち越し打を許した。代わった新人の桐敷も一度傾いた流れを止められず、続く馬場も防波堤になれなかった。

 開幕11戦目での10敗到達はセ・リーグ最速。開幕9連敗に続き、また不名誉なリーグ記録を打ち立てた。西勇が完封した前夜の勢いに乗れず、再び借金9に戻った。

 延長12回の惨状があっただけに、余計に湯浅の投球が光った。延長11回。先頭の大田に右前へ運ばれ、右翼の佐藤輝が突っ込んで後逸し、三塁打とされた。大ピンチで、プロ4年目の22歳は踏ん張った。昨季の打率・310の1番桑原をフォークで三振。140キロ台後半の角度がある直球が低めに決まった。楠本、佐野は連続で一ゴロで抑えた。

 「やるしかないという気持ちで、一球一球、丁寧に投げることができた。相手に合わせることなく、自分の間合いで投げられたことがいい結果につながったと思う」

 2日の巨人戦でも1回を3人斬りした。しかし、その試合はリードされた場面でのマウンド。緊迫した展開では、守護神に指名されてから今回が初めてだった。今後に期待を抱かせる内容に、指揮官も「ああいうポジションのピッチャーを育てないとダメなんで。今日の投球を自信にしてもらったら」と及第点を与えた。

 2年連続セーブ王のスアレスの退団でできた大きな穴。代役になるはずだった新外国人ケラーは来日遅れの調整不足もあって、2戦連続でセーブ機会で失敗し、2軍に落ちた。抑え不在の緊急事態。18年のドラフト6位右腕が当面、猛虎の継投のカギを握っている。(倉世古 洋平)

 阪神が今季11試合目で10敗(1勝)到達。パ・リーグには開幕10試合で10敗(0勝)が55年トンボ、61年阪急、02年ロッテの3チームあるが、セ・リーグではこれまで延べ13チームの12試合目を更新する最速記録。チームでも20年の12試合目を更新する史上最速となった。両リーグ最速到達は20年のオリックスと同日以来。単独では94年以来28年ぶりの屈辱となった。

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