近江2勝目 山田省エネ87球完投で19年ぶり8強導いた 1回戦延長13回165球完投から中4日

[ 2022年3月26日 05:30 ]

第94回選抜高校野球大会第7日第1試合・2回戦   近江7ー2聖光学院 ( 2022年3月25日    甲子園 )

<近江・聖光学院>力投する近江の先発・山田 (撮影・後藤 大輝)
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 近江(滋賀)が聖光学院(福島)を破って19年ぶりに8強入りした。山田陽翔(3年)が2失点に抑えて87球で完投。代替出場では第64回大会(92年)の育英(兵庫)以来2度目の2勝を挙げた。

 修正能力の高さもトップレベルだ。山田が「完投では一番少ない球数」という87球で近江を19年ぶりの8強へ導いた。延長13回165球完投から中4日。試合の中でギアチェンジを繰り返し、4番から始まる最終回もわずか4球で締めた。

 「勝てたのは素直にうれしい。出来は70点くらい。途中から7分の力で打たせて取った。自分としては思いきったことができた」

 初回は16球のうち11球ボール。先制を許し、3四死球を数えた。捕手・大橋大翔から「下半身が使えてない」と指摘され、多賀章仁監督にも「みんなで戦っているんだ。独り相撲はあかん」と苦言を呈された。途中でブルペンに入り、リリースポイントを確認。回を追うごとに球威が増し、2回以降は15の飛球アウトを取った。

 「縁の下の力持ちの大橋が助けてくれた。彼がMVP。これから連戦になるし、球数も少なくいけたのは大きいと思う」

 常に客観的に自分の投球を見るからこそ、対応ができる。初戦完投の夜も、92年夏に東邦の捕手で4強入りした父・斉さん(46)と全球をチェック。右肘炎症で投球ができなかった昨秋に志願して三塁ベースコーチに入った経験も野球眼の強化につながった。

 次は昨秋の近畿大会準々決勝で6点差を逆転された金光大阪との再戦。この敗戦で選抜選考から漏れ、京都国際の直前辞退で復活した。投球再開前で右翼で出場した山田にとっても忘れられない一戦だ。連絡を取り合う球友の京都国際・森下瑠大の思いも背負う甲子園。「先を見ると足をすくわれる。一戦必勝でいく」。今度こそ投げて勝つ。(鈴木 光)

 《補欠校92年育英以来2度目》代替出場は今回の近江が13度目で、2勝を挙げるのは第64回(92年)の育英(兵庫)以来2度目。8強進出は第12回(35年)の中京商(愛知)、第24回(52年)の長崎商、前記の育英以来4度目。過去3度は全て準々決勝で敗れた。

 《ピラティスが効果》近江は2月末、選抜期間中にスポニチ本紙でコラムを掲載中の市川いずみ氏からピラティスの指導を受けた。胸郭や股関節のエクササイズなどを約1時間みっちり。山田もレッスン後「日頃からできることはありますか?」と積極的に質問し、以降は練習にも取り入れている。彦根から2時間のバス旅をした初戦は甲子園到着後にピラティスで可動域を広げるなど、さっそく効果を発揮した。

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2022年3月26日のニュース