阪神 中野アウトなら「開幕遊撃」は小幡VS木浪の一騎打ち 井上ヘッド「結果見ながら」

[ 2022年3月4日 05:30 ]

<阪神全体練習> ノックを受ける木浪(右)と小幡(撮影・大森 寛明)
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 「開幕遊撃手」争いが最終局面に突入だ。阪神・中野の出遅れに伴い、1軍・宜野座キャンプでしのぎを削った木浪、小幡、熊谷、遠藤、高寺らの中から、小幡と木浪の一騎打ちの様相へ。中野が間に合うか微妙な状況下、残りのオープン戦「13番勝負」で決着をつける公算が大きくなった。

 「やっぱりレギュラーを獲らないといけないと思う。開幕スタメンもしっかりイメージして。去年ずっと出ていた中野さんが今、体の状態とかもあってチャンスだと思ってるんで。あとは本当に自分がつかむだけ。しっかりつかめるように準備したい」

 個別練習でも遊撃でみっちりノックを受けた小幡が言葉に力を込めた。「全然動ける範囲ではいたので」と言い訳にしなかったが、実は昨年末から腰に違和感を抱えたままキャンプイン。動きを制限していた日もあった中で「もう何ともない。100%問題ないです」と全快宣言。ギアをトップに入れ、ドラフト制後では67年の藤田平(当時19歳)に次いで若い21歳での開幕遊撃へ猛アピールする。

 一方の木浪は入団から3年連続で開幕遊撃の座を射止めている。4年目に向けキャンプから攻守で安定感を見せており、井上ヘッドコーチも「経験値とか守備の堅実さだとどっちだと思う?」と優勢を示唆。ただ「練習ではうまいはずなのに、試合になるとポロッとやるのはあいつの弱さ」とも指摘し、「これから先のオープン戦の結果を見ながら」と競争継続を明言した。

 本来なら昨季新人で盗塁王に輝いた中野が大本命。ただ、下肢のコンディション不良で2軍安芸キャンプになったことに加え、安芸組が見舞われたコロナ禍の影響でまだ実戦出場のメドも立っていない。チームには誤算でも、小幡や木浪には逃せないチャンス。2人とも一気に定位置を奪い取る覚悟だ。(山添 晴治)

 【データ】プロ4年目の小幡は今季開幕時点で21歳6カ月。阪神の遊撃手が22歳未満で開幕スタメンを務めれば、初起用の年齢では67年高卒2年目の藤田平19歳5カ月以来。2リーグ制の50年以降では53年新人の吉田義男19歳8カ月の過去2人だけ。一方の木浪は新人の19年から昨季まで3年連続の開幕戦遊撃スタメン。2リーグ制以降のチームで、新人から連続シーズン開幕遊撃スタメン起用の最長は13年で吉田義男(53~65年)と鳥谷敬(04~16年)の2人。次いで久慈照嘉の6年(92~97年)。木浪は3番目の長さになる。

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