日本ハム・万波 室伏打法でオープン戦1号「ちょっとずつだけど進歩が感じられる」

[ 2022年3月4日 05:30 ]

オープン戦   日本ハム1―1ヤクルト ( 2022年3月3日    札幌D )

<日・ヤ>3回、同点本塁打を放ちベンチの選手らとタッチをする万波(左)(撮影・高橋茂夫)
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 脱力させた状態からインパクトで力を爆発させる。日本ハム・万波の放った鋭いライナー性の打球が、あっという間に左翼席最前列に突き刺さった。低く、強く、そして勢いが落ちない。オープン戦1号を「ちょっとずつだけど進歩が感じられる本塁打」と表現した。

 1点を追う3回。2ボールから甘く入った129キロを強振した。新庄監督の助言もあって、重心を低く沈み込みすぎないように矯正したフォームで、指揮官が「ザ・メジャーリーガー」と表現する驚異のパワーを白球に伝えた。オープン戦の過去3試合は7打数1安打と不振だったが、目標とする開幕スタメンに向けてアピールとなる一発。三塁ベンチに戻り、笑顔がはじけた。

 高卒3年目だった昨季は49試合で5本塁打も打率・198。確実性の向上が課題だ。そしてブレークのきっかけになりそうな出会いが。新庄監督の依頼で沖縄・名護キャンプ中だった2月24日に、スポーツ庁の室伏広治長官が臨時コーチを務めた。印象に残った指導は「脱力の重要性」。今川、野村と3人で力を合わせ、たった一人の室伏長官と引っ張り合いを行ったが、右手一本で簡単に倒され、脱力から力を爆発させる極意を身をもって学んだ。力みのないスイングから放たれた豪快弾。現役時代は本塁打を打つたびに打法を命名してきた新庄監督も「室伏打法」と喜んだ。

 「入ると思っていなかった打球が本塁打になったのは(室伏長官の指導の)効果があるのでは」と万波。ハンマー投げで世界を魅了した室伏長官のように、北海道のファンに夢を与える存在となる。(東尾 洋樹)

 ▽室伏長官の指導 04年アテネ五輪ハンマー投げ金メダリストの室伏長官は「回旋運動は自分で回旋しようと一生懸命ひねらなくても重心のかけ方で勝手に回りだす」などと力を入れるコツを伝え、ナインに体の使い方なども実践しながら指導。レジェンドから指導を受ける念願がかなった新庄監督は「この(右腰の)押しが距離を出すというからどうしても教えてほしくて。野手がバッティングしたらボールが割れないか心配」と効果に期待していた。

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2022年3月4日のニュース