捕手人材豊富な広島にまたも逸材! 育成3年目・持丸 支配下登録へアピール弾「何とか食らいついて」

[ 2022年3月4日 05:30 ]

オープン戦   広島2-7DeNA ( 2022年3月3日    横浜 )

<D・広2>5回、2ランを放つ広島・持丸(撮影・島崎忠彦)
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 広島期待の原石がオープン戦で輝きを放った。育成3年目の持丸泰輝捕手(20)が3日のDeNA戦で待望のオープン戦1号。代打に指名された5回に2番手・上茶谷の速球を右翼席へ運び、佐々岡監督ら首脳陣に支配下選手登録を強烈アピールだ。ガッツポースの若ゴイは目標達成に向け「内容と結果を残したい」と力を込めた。

 開幕の声が近づいているというのにアピールに欠け、見せ場に乏しい試合。そんな重い空気を一瞬でも若ゴイのバットが歓声に変えた。オープン戦4打席目で初安打。期待に応えた持丸は充実感をにじませた。

 「自分の持ち味は真っすぐに振り負けないことなので、それを一発で仕留められたのは良かったです。思ったよりもいい角度で打球が伸びてくれました」

 5点劣勢の5回。先頭の代打・大盛が投手強襲内野安打で出塁した無死一塁で、代打がコールされた。相手は先発候補の上茶谷。その初球、内寄り低めの直球を振り抜くと、打球は敵地の右翼席へ吸い込まれた。オープン戦1号2ラン。ガッツポーズが胸中の喜びと達成感を表していた。

 「1軍キャンプ、オープン戦に呼んでもらったうれしさ、楽しさが勝っているので疲労感はあまりない。1軍のプレーを勉強しながら、いい形でできているかなと思います」

 北海道の旭川大高から19年の育成ドラフト1位で入団。3年目の今春は1軍キャンプに初めて抜てきされ、打力でアピールしながら完走した。沖縄2次キャンプ中の2月17日には、シート打撃に登板した栗林の直球を見事に捉え、右中間を破る三塁打。2軍で打撃を担当していた東出野手総合コーチは言う。

 「打撃センスがあるし、真っすぐにはすごく強い。(背番号)2桁の選手に負けないぐらいのものを持っています。捕手が足りない球団なら(支配下登録に)入れると思う」

 今春はここまで対外6試合に出場し、打率・333。東出コーチが言うように、広島捕手陣には豊富な人材がおり、実戦で経験を積む必要性を考えれば、どこかの時点で1軍を離れる可能性は高い。だからと言って、将来性は閉ざされない。

 「勝負の年になってきます。同じ育成の二俣も1軍でいいアピールをしているので、自分も何とか食らいついて、負けないところを見せていきたいです」

 まずは支配下選手登録へ。持丸の挑戦が軌道に乗り始めた。 (江尾 卓也)

 ◇持丸 泰輝(もちまる・たいき)2001年(平13)10月26日生まれ、旭川市出身の20歳。小学2年の時に永山西クラブで野球を始め、旭川永山中では軟式でプレーした。高校では1年春からベンチ入り。甲子園には2年夏に「4番・左翼」、3年夏に「2番・捕手」で出場した。昨季ウエスタン・リーグでは54試合で打率・226、1本塁打、10打点。1メートル77、82キロ。右投げ左打ち。

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