日本代表・姫野 盟友・大谷翔平と果たす世界一リレー W杯開幕あと100日「次はラグビーの番だね」

[ 2023年5月31日 04:45 ]

More W杯

ノートに目標を記し、気合の入った表情を見せる姫野(撮影・尾崎 有希)
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 9月8日に開幕するラグビーW杯フランス大会まで、31日であと100日となった。スポニチではラグビーとバスケットボールなどW杯に臨む選手らを紹介する新企画「More W杯」を始める。ラグビーの第1回は、19年大会で日本の8強入りに貢献したフランカー/No.8姫野和樹(28=トヨタ)を取り上げる。WBCで活躍した大谷翔平投手(28)から贈られた言葉とは――。桜の戦士へのインタビューで、決意に迫った。

 “代名詞”ジャッカルで列島を熱狂させた男が、前回以上のラグビー熱を巻き起こす。大きな期待を背負う姫野は強く誓った。

 「前回大会は(ラグビー熱の)火種をおこしたけど大炎にはならなかった。もう一度、火をおこしてブームをつくりたい」

 使命を持って臨む今大会、盟友からエールを受け取った。今年3月、WBCで胴上げ投手となった大谷へ「おめでとう」と祝福メッセージを送った時のこと。二刀流から返ってきた言葉は「次はラグビーの番だね」。18年末に会食して以来、親交のある侍戦士から桜の戦士へ渡ったバトン。姫野は「頑張るわ」と応じた。

 21年にはハイランダーズ(ニュージーランド)の一員としてスーパーラグビーに挑戦した。「英語、食生活、文化の違い…。ストレスを感じた。プレッシャーもあった」。そんな時、精神面を支えたのが、iPadのノート機能に思いを記す“ヒメノート”だった。トヨタ入団1年目で主将に抜てきされ、悩んでいた時に「気づいたら書いてた」というルーティンだ。

 異国の地でつづったのは「自分で自分にプレッシャーかけていたよね」「なんでこんなメンタル落ち込んでるのか」といった心との対話や「毎日ストレッチする」「この6ゲームは禁酒」など行動についても。ペンを走らせ「自分のことをモニタリングする力」がより染みつき「世界のレベルも理解できた」と手応えもつかんだ。

 2度目のW杯ではNo.8だけではなく、チーム状況に応じてフランカーをこなす可能性もある。5月にジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)から「7番どうだ?」と打診され、6、7、8番をできるのは強みになると思い、「チャンスがあればどこでもやる」と伝えた。日本代表のフランカーは運動量が求められるため、「このパワーのまま、走れる」体づくりに取り組んだ。結果、運動量と力強さのバランスでNo.8とフランカーの“二刀流”をこなす手応えを得ている。

 100日後の舞台に向け、「世界でBestプレーヤーになる」と決意を記した。侍ジャパンからの刺激を受け「次はラグビー。もっとポピュラーなスポーツにするチャンス。優勝したい」と狙う桜のエイトマン。4年分のページを重ねた力で大きな獲物を奪っていく。

 ≪スターがずらり、ワンダフル世代≫姫野や大谷と同世代の94年度生まれは逸材ぞろいとして知られている。フィギュアスケート・羽生結弦さんを筆頭に競泳・瀬戸大也や柔道・ベイカー茉秋ら五輪メダリストが名を連ねる。

 17年1月に大谷、瀬戸、ベイカーの3人で食事に行った際、「戌(いぬ)年生まれだから、“ワン”ダフル世代がいいと」と命名。NBAの渡辺雄太も同い年で、大谷と親交があり、4月20日には互いのユニホームを着用して試合会場入り。その輪は世界各地で広がっている。

 ◇姫野 和樹(ひめの・かずき)1994年(平6)7月27日生まれ、名古屋市出身の28歳。中学からラグビーを始め、春日丘(現中部大春日丘)で花園を経験。帝京大を経て17年4月にトヨタ自動車入りし、1年目から主将を務める。同年11月のオーストラリア戦で日本代表初キャップを獲得し、通算25キャップ。19年W杯では全5試合に先発出場。1メートル87、108キロ。ラテアートが得意。自身のYouTubeチャンネル「HimeGame」ではゲーム実況を配信している。ポジションはNo.8/フランカー。

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