新十両・川副改め輝鵬(きほう) 新しこ名は10個の候補から選択「もっと輝いていけるように」

[ 2023年5月31日 16:43 ]

新十両昇進会見を行った川副改め輝鵬(左)と師匠の宮城野親方(撮影・前川 晋作)
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 日本相撲協会は31日、名古屋場所(7月9日初日、愛知・ドルフィンズアリーナ)の番付編成会議を開き、川副改め輝鵬(きほう=24、宮城野部屋)と獅司(26=雷部屋)、勇磨(24=阿武松部屋)の3人の新十両昇進が決まったと発表した。また、紫雷(31=木瀬部屋)と千代の海(30=九重部屋)の再十両も決まった。

 一昨年の学生横綱で1メートル67、111キロの“超人”川副は、新十両昇進を機に「輝鵬(きほう)」に改名。師匠の宮城野親方(元横綱・白鵬)から「鵬」の字をもらい、「輝いてほしい」という願いが込められた。

 川副改め輝鵬は「これからもっともっと輝いていけるように頑張っていきたい」と期待に応えることを誓った。4勝目を挙げて新十両昇進が当確となった夏場所11日目の夜に師匠と相談。10個もあった候補の中から厳選していって最後は本人が選んだ。師匠は「動き、相撲っぷりは横綱・白鵬にちょっと似ているところがある。間違いなく名前通りの関取になると思う」と大きな期待を寄せた。

 また、下の名前は本名の圭太から「智貴(ともたか)」に改名。父・智徳(とものり)さんと母・貴代(たかよ)さんから一文字ずつもらった。「父と母に本当に感謝しているので」と思いを込め、それを両親に報告すると「喜んでくれた」という。師匠は、昨年8月の入門会見時に「ルーツを大事にしている。名前でも関われた方々に恩返ししないといけない。そういう思いでしこ名を考えていきたい」と、早くも関取に上がることを見据えてしこ名を考える構想を明かしていた。その言葉どおり、人の「ルーツ」である両親の名前を取り入れた。

 幕下15枚目格付け出しでデビューした昨年秋場所から5場所かけての昇進。「大学(日大)の先輩の遠藤関とか2場所で上がっていて“俺も学生横綱だからもっと早く上がらないとダメかな”と思ったこともあった」というが、少し苦労した分「良い経験を積めたのはこれからにつながっていく。この5場所は自分の中で良いものを得られた」とプラスに捉えた。自身より2場所後に同じ幕下15枚目格付け出しでデビューした落合(伯桜鵬に改名予定)が1場所通過で十両に上がり、一気に抜かされた。「本当にめちゃくちゃ悔しかったけど、結果が全ての世界なので受け止めて、絶対超えてやるという気持ちになりました」。夏場所は左足を骨折しながらも強行出場して見事に勝ち越した。

 入門時、新弟子検査の合格基準である1メートル67に満たなかった小兵。学生横綱に輝いて付け出し資格を有したことで与えられた大相撲挑戦だった。現在の身長1メートル67は、部屋の兄弟子・炎鵬(28)と並ぶ関取最小兵。師匠によると「前に出る力は炎鵬や石浦よりも、伯桜鵬よりもある」という。前に出る相撲で夏場所5勝を挙げた小兵は「相撲をやっている小さい子に“努力すれば勝てる”と見せていきたい」と意気込んだ。体の小さな子供たちに夢を与えるべく、十両の土俵で輝きを放つ。

 ◇輝鵬 智貴(きほう・ともたか)本名=川副圭太。1999年(平11)4月10日生まれ、熊本県宇土市出身の24歳。小1の頃に宇土少年相撲クラブで相撲を始め、鶴城中2年時に白鵬杯3位。3年時に全国都道府県中学生大会軽量級優勝、全中準優勝、白鵬杯優勝。文徳高2年時に全国高校総体8強、国体少年の部優勝、全国高校選抜弘前大会3位。日大1年時に東日本学生新人戦優勝。3年時に東日本学生体重別大会無差別級優勝、全国学生体重別大会無差別級優勝、全国学生選手権団体戦優勝(副将)。4年時に全国学生選手権優勝。宮城野部屋に入門し、幕下15枚目格付け出しで22年秋場所初土俵。デビュー以来5場所連続で勝ち越し。得意技は押し、出し投げ、うっちゃり。並外れた身体能力と柔軟性、驚異的なケガの回復力などから“超人”とも呼ばれている。1メートル67、111キロ。血液型AB。

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