獅司が無傷3連勝 初めての大銀杏に「カッコイイデ~ス」ウクライナ出身初の十両昇進へ前進

[ 2023年5月19日 04:50 ]

大相撲夏場所5日目 ( 2023年5月18日    両国国技館 )

藤青雲(下)をはたき込みで破る獅司(撮影・木村 揚輔)
Photo By スポニチ

 ウクライナ出身の幕下・獅司が新十両の藤青雲をはたき込みで破って無傷の3連勝。自己最高位での勝ち越しに王手をかけ、ウクライナ初の十両昇進に前進した。幕内は横綱・照ノ富士、関脇・若元春、平幕・明生、朝乃山が5連勝としたが、カド番の大関・貴景勝は過去3連敗と苦手の翔猿に敗れ、2敗目を喫した。

 ウクライナ初の力士、獅司が初めて十両の土俵に上がると館内から大きな声援が湧き上がった。右かち上げで先制し、タイミング良くはたいて藤青雲を撃破。「いつもと同じ(戦法)。緊張したが勝てて良かった」と興奮気味に振り返った。初めて結ってもらった大銀杏(おおいちょう)は激しく乱れていたが、感想を問われると「カッコイイデ~ス。似合ってますか?」と笑顔を振りまいた。

 母国は1年以上も戦火に包まれている。相撲中継がないため、両親と祖母には電話で勝利を報告。自分の取組の動画も送っている。「頑張って」という返信が何よりの支えだという。
 入門から4年。自己最高位の西幕下2枚目で勝ち越しまであと1勝に迫った。1メートル93の長身に競輪選手のような太腿。鍛え上げた肉体を武器に番付を駆け上がり、憧れの関取は目前だ。一度は「5勝しないと」と目標を口にしたが、ひと呼吸置いて「優勝したい」と訂正。母国に勇気を与えるべく、さらなる快進撃を誓った。

 ◇獅司 大(しし・まさる=本名ソコロフスキー・セルギイ)1997年1月16日生まれ、ウクライナ・ザポロジエ州メリトポリ市出身の26歳。15歳から相撲を始め、世界ジュニア選手権で3大会連続で重量級3位、16年世界選手権でも重量級3位の実績を収めた。18年に来日し入間川部屋に入門。20年春場所初土俵。師匠の定年に伴い、今年初場所から雷部屋所属に。1メートル93、175キロ。白米は苦手だが、寿司は大好き。

続きを表示

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

2023年5月19日のニュース