【独占手記】帝京大・岩出前監督 相馬監督へ「20年を目指した長期政権で、学生たちを成長させてほしい」

[ 2023年1月9日 05:05 ]

第59回ラグビー全国大学選手権決勝   帝京大73-20早大 ( 2023年1月8日    国立競技場 )

<帝京大・早大>2年連続11度目の大学日本一に笑顔で握手を交わす相馬監督(左)と岩出前監督(撮影・篠原岳夫)
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 帝京大が早大を73―20で下し、2大会連続11度目の優勝を飾った。73得点、53点差、11トライは、いずれも決勝史上最多。9連覇を含む10度の優勝に導いた岩出雅之前監督(64)に代わり、今季から指揮を執った相馬朋和監督(45)は就任初年度で大学日本一を達成した。岩出氏は本紙に独占手記を寄せ、長期政権による常勝軍団形成を熱望した。

 全国大学選手権優勝、2連覇達成おめでとう。相馬監督、選手をはじめ、部員と全スタッフを心からお祝いするとともに、お疲れさまでした。みんなの共同作業が、相馬監督就任1年目での優勝という快挙につながったと思います。最後まで力強く戦い抜いてくれたチームは誇りです。

 それぞれの選手がしっかり成長した姿を見ることができ、とてもうれしく思います。入学してきた時から一歩一歩たくましく成長し、豊かな個の強さと協調性がある人の集まりになりました。新チームを支える後輩たちにも、素晴らしい道しるべになってくれたと思います。4年生には、4年間、きついことやつらいこともあったと思いますが、本当によく頑張りました。この優勝という結果、ここまでの道のりを一つの心の中の支えにして、また新たなステージへ挑戦してください。今後も自分自身をしっかり成長させ、周りからも信頼される大人として活躍してくれることを願ってます。

 選手たちの中心として、主将の松山は気骨があり、強い芯を持った学生でした。少し口下手なところがあり、「物事を考えてアウトプットし、自分の考えを言語化した方がいい」とアドバイスしたことがありました。今ではグラウンド内外でけん引する立派な主将になりました。今後のさらなる成長にも期待しています。

 そして、相馬監督。就任1年目で分からないことが多かったと思います。コーチと監督の違い、社会人と学生の違いなど、うまくいかずきつい時があったと思います。きついっていうことは成長しているということ。壁や課題を乗り越えての頂点。就任1年目で優勝という快挙は素晴らしいです。この結果をこれからのエネルギーにして、本当の意味でチームの大黒柱となってほしい。私は2、3年という期間だけの監督をお願いしたのではありません。これから20年を目指した長期政権で、学生たちをしっかり成長させてほしい。ラグビーとしての結果も、人として成長も持ち合わせて卒業させていくような、帝京大の文化をより高めていってほしいと思っています。これからも、よろしくお願いします。(帝京大ラグビー部前監督、現スポーツ局局長)

 ◇岩出 雅之(いわで・まさゆき)1958年(昭33)2月21日生まれ、和歌山県出身の64歳。現役時代は日体大主将として78年度大学選手権優勝を経験。滋賀県で教員となり八幡工高を7年連続の花園出場に導く。高校日本代表監督を務めた後、96年に帝京大監督に就任し、9連覇を含む10度の大学日本一を達成。昨年度限りで退任し、現在は帝京大スポーツ局長。

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