東洋大が王者撃破で30年ぶり1部白星 長身2メートル11ウーストハイゼン「全員にパッション」

[ 2022年9月11日 16:16 ]

関東大学ラグビー・リーグ戦グループ1部 ( 2022年9月11日    秩父宮ラグビー場 )

<東海大・東洋大>後半36分、東洋大・ボンド洋平が勝ち越しとなるトライを決める(撮影・郡司 修)
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 29年ぶりにリーグ戦グループ1部に復帰した東洋大が、開幕戦で4連覇中の王者・東海大を27―24(前半10―7)で破った。東洋大の1部での勝利は、3勝を挙げた92年以来30年ぶり。同年11月5日の日大戦に5―3で勝ったのが最後だった。

 会見場に現われた就任5年目のOB福永昇三監督は「何よりもこの日を迎えられたことがうれしい」、主将のロック斎藤(4年)は「一番は感謝の気持ち。素晴らしい環境でラグビーができた」とまずは秩父宮での開幕戦を喜んだ。94年の2部降格後は三洋電機(現埼玉)で活躍した福永監督在籍時も含め、1部で戦った者はいない。20年シーズンは2部で優勝しながらコロナ禍で入れ替え戦が行われず、昨季も2部での戦いを強いられていた。「29年間、1部を目指しても昇格できなかった先輩たちの気持ちも背負ってやろうと常々言ってきた」。斎藤主将が話したとおり、選手たちは初見参の“聖地”でのびのびと、誇り高くプレーして王者を撃破した。

 相手ボールのスクラムとラインアウトでクリーンにボールを出させずに攻撃の起点を潰し、福永監督就任後鍛えてきた組織的ディフェンスで粘り強く止め続けて東海大のミスと反則を誘った。後半2、7分とトライを立て続けに奪われて10―19とされると、斎藤主将が「自分たちは何も成し遂げていない。チャレンジしよう」と語りかけ、善戦に満足しかけていた部員たちの気持ちを引き締めた。相手反則では迷わずに速攻を仕掛け、リザーブ選手の士気も高く、後半の3トライはいずれも途中出場の選手。南アフリカからの留学生で、身長2メートル11の超大型新人ロック、ウーストハイゼン(1年)は「全員がパッション(情熱)を見せて勝てた」と話し、「主将は盛り上げるのがとてもうまく、声を聞くと落ち着ける。悪い展開でも素晴らしい主将がいるので、崩れないように集中してできたと思う」とリーグデビュー戦を振り返った。

 福永監督は今季のテーマに「パラダイス」を掲げた。1部という晴れの舞台で強豪と戦えることに感謝しつつ、全力で取り組むという意味が込められている。「シーズンを通してもっと強くなります。注目してください」と斎藤主将。幸先良いスタートを切り、日本一を争う夢の舞台・大学選手権出場が夢ではなくなってきた。

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2022年9月11日のニュース