【玉ノ井親方 視点】貴景勝にあった逸ノ城戦のトラウマ

[ 2022年9月11日 20:33 ]

大相撲秋場所初日 ( 2022年9月11日    両国国技館 )

<大相撲秋場所初日>貴景勝(手前)を押し出しで下す逸ノ城(撮影・久冨木 修)  
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 逸ノ城が自分の強みを生かした相撲を取った。大関戦は、立ち合いでしっかりと両手をついたところで、勝負が決まった感じだ。幕内最重量212キロの小結が、十分に腰を下ろして仕切り線に手をついて立てば、体重以上の重みが出る。対する貴景勝は、立ち合いの勢いをつけようと手を“ちょんづけ”で立った。その分、腰が入らず上体が前のめりになって、当たりの威力が薄れた。以前、逸ノ城戦で首を痛めたトラウマもあったのだろう。“またやってしまうのでは”という恐怖感で、本来の当たりとスピード、前に出る圧力がなかった。

 一方の逸ノ城は左で相手のさがりを持って前に出ていくような形で取った。まわしを取ることばかりに意識が向くと足が出なくなるが、この一番はまわしを取ること、そして前に出ることの両方をしっかりと意識して取った。体調も良さそうで、良い形で秋場所のスタートを切った。(元大関・栃東)

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