陸上女子走り幅跳び・秦澄美鈴 高校から始めた“モデルジャンパー”が背負う日の丸

[ 2022年7月20日 14:15 ]

女子走り幅跳び日本代表の“モデルジャンパー”秦澄美鈴

 【オリンピアンロードの歩き方】五輪を目指すアスリートや関係者らを取材するコラムの今回は、陸上の女子走り幅跳びで世界選手権に出場する秦澄美鈴(26=シバタ工業)。高校から競技を始め、ついに日の丸を背負うことになった“モデルジャンパー”の歩みや憧れ、そして目標などに迫った。(五輪担当・西海康平)

 ドキドキしながら吉報を待っていた。ワールドランキングなどによって秦の世界選手権出場が正式に発表されたのが、今月1日。待ち望んだ切符を手にし「ずっとソワソワしながら、でも練習は淡々とやっていた。ずいぶん連絡を取っていなかった友達からもお祝いの連絡が来て、うれしかった」と笑みを浮かべる。

 高校から競技を始め、3年の全国高校総体では走り高跳びで9位。保健体育の教員免許を取ろうと進学した武庫川女子大では「陸上はやらずに普通の女子大生をしようと思っていた」が、跳躍コーチの伊東太郎氏に熱心に誘われ、6月に入部。コーチの勧めで幅跳びにも取り組み、4年時には日本学生対校選手権(インカレ)で優勝した。大学卒業を機に、幅跳びに専念。今も指導を受ける太成学院高の坂井裕司監督に出会ったこともあり、大幅に記録を伸ばしてきた。

 現在の自己ベストは6メートル65で、池田久美子の持つ日本記録(6メートル86)にも徐々に近づいている。東京五輪の出場は逃したが、大学入学時とは全く心持ちが違う。「先生になって人に教えるよりも、まだ自分がプレーヤーでいたいと思った。まだまだ跳んでいたい」。競技と向き合う一方で、所属する「シバタ工業」のレインブーツのイメージガールを務めたこともある。

 そんな26歳がアスリートとして尊敬するのが、男子フィギュアスケートの羽生結弦。「競技に対する姿勢や、プレッシャーのかかる舞台でも決めるのが凄いすてきだなと。いつも当たり前のように結果を出していて、本当に凄いです」。初めて挑む世界選手権。「自己ベストを更新して予選突破」という目標へ、磨き上げてきたジャンプで勝負する。

 ◇秦 澄美鈴(はた・すみれ)1996年(平8)5月4日生まれ、大阪府八尾市出身の26歳。北山本小1年から6年まで水泳、桂中ではバスケットボール部に所属。山本高で陸上を始め、武庫川女子大へ進み、日本学生対校選手権で2年時に走り高跳び2位、4年時に走り幅跳びで優勝した。家族は両親と妹。1メートル69。息抜きは漫画を読むことで、好きな作品は「呪術廻戦」。

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