【二所ノ関親方 視点】若隆景 相手の攻め封じた相撲巧者

[ 2022年7月20日 05:10 ]

大相撲名古屋場所第10日 ( 2022年7月19日    ドルフィンズアリーナ )

押し出しで遠藤を破った若隆景(手前)(撮影・奥調)
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 相撲巧者同士の対戦は若隆景の技術の高さに感心しました。遠藤もおっつけをかいくぐって左を差し込んだまでは良かった。しかし、若隆景は相手の顎の下にしっかりと頭を入れ続けた。そこが勝因です。あの体勢だと相手は右の前まわしを探りにいけなくなる。若隆景は相手の攻めどころを封じ、頭を入れながら出し投げを打った。遠藤は簡単に振られて何の抵抗もできず土俵を割ってしまいました。頭をつけるというと「守り」のイメージもありますが相手の嫌がる体勢をつくったのはさすが。うまさで定評のある遠藤の上を行く内容でした。

 序盤で負けが込んでしまったが、この日のような相撲を取り続けていけば結果は伴ってきます。大関は上がってからが大事。そのためにも今のうちに確固とした土台をつくることが求められます。横綱、大関と対戦する後半戦で大関候補にふさわしい内容を示すことを期待しています。(元横綱・稀勢の里)

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2022年7月20日のニュース