七種Vのヘンプヒル恵「消えてなくなりたいという感情も」右膝大ケガから復活

[ 2022年5月1日 17:10 ]

陸上・木南道孝記念最終日 ( 2022年5月1日    ヤンマースタジアム長居 )

<陸上・木南道孝記念>女子七種競技の800メートルでゴール後に倒れ込むヘンプヒル恵(撮影・坂田 高浩)
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 女子七種競技の2日目が行われ、ヘンプヒル恵(25=アトレ)が5732点で優勝した。

 初日に3397点をマークしてトップに立ち、1位の座をキープしたまま迎えた最終種目の800メートル。第2組で登場すると、日本記録を持つ山崎有記(スズキAC)を追う展開となる。2周目でかわして先頭に立ち、そのままゴールを駆け抜けて木南記念を制した。

 「ケガとかいろいろあったけど、ここにまた戻ってこられて、新しい自分で勝負ができて良かった。いろんな方の応援や支えに感謝しているし、これからも感謝の気持ちを持って戦いたい」

 20年9月の日本選手権。日本記録ペースで競技を続けていた中、やり投げの際に右膝を負傷した。前十字靱帯断裂という大ケガを負い、長期離脱を強いられた。その後は苦しい時間を問われると、言葉をつないだ。

 「人生の辛いことを全部やってきた感じ。感情の起伏も激しかったし、消えてなくなりたいという感情もあった。言葉になかなかできないな…。“昔がこうだった”という考え方を(新たな拠点とした)アメリカで壊してきた」

 負傷から1年半以上が経過し、今季初戦で復活を印象づけたヘンプヒル。ただ、ここはまだ通過点だ。

 「日本選手権で日本記録(5975点)を出して優勝したい。6000点はいけますね」

 過去の自分に戻ろうとはせず、前を向く。もっと先にある目標を目指して、進化を続ける。

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