大橋 個人メドレー五輪2冠の意地見せた 15歳・成田振り切り女子200貫録V

[ 2022年5月1日 05:30 ]

競泳 日本選手権第3日 ( 2022年4月30日    横浜国際プール )

<競泳日本選手権第3日>女子200メートル個人メドレー決勝、優勝した大橋は笑顔を見せる(撮影・小海途 良幹)
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 アジア大会(9月、中国・杭州)の代表選考会を兼ねて行われ、女子200メートル個人メドレーは東京五輪金メダルの大橋悠依(26=イトマン東進)が2分10秒70で制した。2位に入った11歳年下の成田実生(みお、15=金町SC)を振り切り、3年ぶり4度目のV。女子100メートル自由形は池江璃花子(21=ルネサンス)が白血病から復帰後ベストの53秒83で2年連続4度目の優勝を果たした。

 金メダリストの重圧に苦しんだ1カ月前の姿はない。3月の国際大会代表選考会の400メートル個人メドレーで3位に沈み涙を見せた大橋だが、この日は一変。優勝インタビューで「想像した通りのレース。一回り年下の選手とかいますけど、まだまだ負けるつもりはない」と言い切った。

 予選3位通過で決勝は第3レーン。隣のレーンには1位通過した15歳の成田がいた。大橋は約2週間の準高地合宿を4月23日に終えたばかり。疲労が残る中で「スピードは出ない。後半勝負と決めていた」と前半を抑え気味に入り、最後の自由形でトップに立った。成田には一度も前を泳がせず、レース直後は「自己ベスト?」と相手のタイムを気にする余裕も見せた。

 練習では6歳上のベテランに刺激を受ける。個人メドレー2冠を達成した昨夏の東京五輪後は、東洋大時代から指導を受けた平井コーチの下を離れ、米国で指導経験もある石松コーチに師事。10年以上も背泳ぎで世界と戦う32歳の入江と一緒に練習しており「入江さんは負けず嫌い。あの年齢まで第一線で戦えるのは理由がある」と実感。競技に取り組む姿勢を参考にする。

 400メートルを泳ぐのは今季で最後にし、24年パリ五輪は200メートルに絞る方針。6月の世界選手権(ブダペスト)は個人メドレー2種目に出場するが、200メートルが本命になる。メダルにはこの日より2秒以上タイムを短縮する必要を感じており「疲労が抜けてスピードが出るのが楽しみ。気軽に泳いで、番狂わせを起こしたい」と視線を上げた。1月に日本水連から肖像権の除外認定を受けてプロ転向しており、まだまだ若手には負けられない。

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2022年5月1日のニュース