金髪の新星・林 女子200バタ東京五輪4位相当タイムで初代表、開き直り快泳

[ 2022年3月5日 05:30 ]

競泳 国際大会日本代表選考会第3日 ( 2022年3月4日    東京辰巳国際水泳場 )

<競泳国際大会日本代表選手選考会 女子200メートルバタフライ決勝>優勝し笑顔を見せる林(撮影・西海健太郎)
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 女子200メートルバタフライは林希菜(20=イトマンSS)が自己ベストを更新する2分6秒41で優勝し、6月の世界選手権(ブダペスト)の出場権を獲得した。東京五輪4位相当の好タイムで初の日本代表入り。女子100メートル自由形は池江璃花子(21=ルネサンス)が54秒02で優勝したが、個人種目の派遣標準記録に0秒06届かなかった。

 ど派手な金髪とは対照的に、初の日本代表入りを決めた林は堅実な目標を掲げた。昨夏の東京五輪4位相当の好タイムで6月の世界選手権切符を獲得。表彰台も視野に入る結果だが「大きな目標を掲げるのは得意ではないので、自己ベストを目指して頑張りたい。メダルはプレッシャーになるので、あまり考えないようにしたい」と足元を見つめた。

 予選は2分9秒34で2位通過。「予選が遅くて不安だった。決勝はどうやって泳ごうか迷っていた」と言う。決勝までに開き直り「最後は“何とかなる”と思って泳いだ。予選が悪いと慌ててしまうので、慌てないように大きく泳ぐことを意識した」と気持ちを整理。持ち味の大きな泳ぎで前半100メートルをトップで折り返すと、後半も後続を引き離した。

 昨年4月の東京五輪代表選考会は3位。2位と0秒10差で代表入りを逃した。昨夏の日本学生選手権では東京五輪代表の長谷川涼香(22=東京ドーム)の連覇を阻止して優勝。長谷川が出場を見送った今回のレースは優勝候補の本命としてスタート台に立った。「追われる重圧を初めて感じた。今まで経験したことがなかったが、いざ試合になると緊張、不安が凄く出てきた」。重圧に打ち勝った勝利だった。

 一躍、世界選手権のメダル候補に躍り出た新星は、金髪の理由を問われると「難しい質問ですね…」としばらく考え「派手にしてみようと思って」と説明。報道陣から日本代表では金髪が認められていないことを知らされると「(黒く)染めてきます」と即答する初々しさを見せた。

 ◇林 希菜(はやし・きな)2001年(平13)7月14日生まれ、大阪府出身の20歳。近大付高―同大。イトマンSS所属。19年高校総体の女子200メートルバタフライで優勝。21年日本学生選手権では東京五輪代表の長谷川涼香の連覇を阻止して頂点に立った。好きな言葉は「ピンチはチャンス」。身長1メートル62。

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